商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 白水社/白水社 |
| 発売年月日 | 2006/05/17 |
| JAN | 9784560071540 |
- 書籍
- 新書
審判
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審判
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商品レビュー
3.8
16件のお客様レビュー
主人公はヨーゼフ・K。これまでずっとヨーゼフ・ケーと発音していた。考えたらドイツ語、正しくはヨーゼフ・カーか。 『城』や『失踪者』と同じく未完の長篇。しかし、この2つとは違って、未完ながら結末部分がある。 ヨーゼフ・Kの30歳の誕生日の朝に始まり、31歳の誕生日直前で終わる不可解...
主人公はヨーゼフ・K。これまでずっとヨーゼフ・ケーと発音していた。考えたらドイツ語、正しくはヨーゼフ・カーか。 『城』や『失踪者』と同じく未完の長篇。しかし、この2つとは違って、未完ながら結末部分がある。 ヨーゼフ・Kの30歳の誕生日の朝に始まり、31歳の誕生日直前で終わる不可解な物語。展開のおもしろさはもちろんだが、読みどころはやはり登場人物どうしの問答。カフカ作品のなかでもっともカフカらしい。 巻末の池内紀の解説が興味深い。10の章は前半と後半が鏡像のように対称形をなしているという。カフカは、冒頭と結末を同時に書き出したのではないか(だから、未完成なのに、結末部分がある)。なるほど、そうかも。 これまで邦訳は9種類、みなブロート版をテクストに用いていた。池内訳が用いているのは1990年刊の手稿版。ただ、全体的な印象は大きくは変わらないかもしれない。 なお、池内訳は(原田義人訳や辻瑆訳と比べてみると)、わかりやすさを優先して、まわりくどい細部はすっとばしている箇所がある。
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『審判』は、なかなか読み進めるのが大変な一冊でしたが、カフカ作品のなかでも白水Uブックス版は特に読みやすいと感じました。未完の小説ではあるものの、一応の結末は描かれており(内容はネタバレを避けます)、読後に不思議な余韻を残します。 作品全体には、社会システムに対する鋭い風刺や皮...
『審判』は、なかなか読み進めるのが大変な一冊でしたが、カフカ作品のなかでも白水Uブックス版は特に読みやすいと感じました。未完の小説ではあるものの、一応の結末は描かれており(内容はネタバレを避けます)、読後に不思議な余韻を残します。 作品全体には、社会システムに対する鋭い風刺や皮肉がちりばめられていて、思わずクスッと笑ってしまう場面もあります。カフカが生み出す独特の不条理な世界観は魅力的で、強く印象に残りました。 また、本作は1962年にオーソン・ウェルズ脚本・監督によって映画化もされています。小説を読み終えたあとに映画を観ると、よりイメージが具体化され、作品理解が深まるかもしれません。 カフカ作品に興味のある方には、ぜひ手に取ってほしい一冊です。おすすめします!
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現実と非現実が混ざったような独特な世界観を感じた。例えば建物の屋根裏に裁判事務局があること。当時の時代背景を知らないので「そういうものなのかな?」と思ってしまうが、これ自体が比喩という解釈もあるようで、難しい。当時の時代における官僚や権力の不透明さを非難するような作品なのかと思い...
現実と非現実が混ざったような独特な世界観を感じた。例えば建物の屋根裏に裁判事務局があること。当時の時代背景を知らないので「そういうものなのかな?」と思ってしまうが、これ自体が比喩という解釈もあるようで、難しい。当時の時代における官僚や権力の不透明さを非難するような作品なのかと思いきや、より一般的な個人の孤独や不安を謳うものであるという説明もあり、捉え難い作品。
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