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審判 カフカ・コレクション 白水Uブックス154
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 白水社/白水社 |
| 発売年月日 | 2006/05/17 |
| JAN | 9784560071540 |

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商品レビュー
3.9
18件のお客様レビュー
理由もわからないまま逮捕され、裁判(のようなもの)に巻き込まれていくKの一年間は、人間の一生そのものにも見えた。人はなぜ生まれたのかも、世界が何を意味するのかもわからない。それでも仕事をし、人を愛し、人生の意味のような何かを求めながら生きて、最後には死ぬ。 読んでいてシーシュポ...
理由もわからないまま逮捕され、裁判(のようなもの)に巻き込まれていくKの一年間は、人間の一生そのものにも見えた。人はなぜ生まれたのかも、世界が何を意味するのかもわからない。それでも仕事をし、人を愛し、人生の意味のような何かを求めながら生きて、最後には死ぬ。 読んでいてシーシュポスの神話を思い出した。カミュの世界が沈黙するのに対して、カフカの世界は過剰に語りかけてくる。しかし、理解できない言葉はいくら積み重なっても、意味を求める人間にとっては沈黙と同じだ。カフカの悪夢のような世界は、シーシュポスが岩を持ち上げる山そのもののようにそこに存在し、それは今私たちが生きる世界そのものでもあるのだ。 「掟の門」は、大聖堂という宗教的な場所で語られるのに神の関与はない。カフカの世界に「答え」はない。掟の門の向こうに差す光を遠くに眺めて死んでいく男と、死神のような二人組に石切場で殺されるKは、世界への期待と、それに対する沈黙そのものを生きて死ぬ。永遠に理解することはできない世界の中で生きる人間の姿。 イワン・カラマーゾフの「全ては許されている」の先にありながら、シーシュポスのような英雄的な意志転換を持ち出すまではいかない。冷たい世界の中の人間そのものが描かれている。 そんな作品として読んだ。 新潮社版と並行して読んだ。版の違い、訳し方の違いは当然あるしそこも面白いし、相互補完して多少立体的に読めたのでよかった。
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自分だけが何もわかっていないのに、自分の処遇が着々と進んでいく恐怖感があっさりとした文体で語られていき、そのあっさり感故、案外最後は謎が解けて、そういうことだったのか、とか夢だったのか、と軽く終わるのではないかと読み進めていくと絶望が待っている感じ。 「変身」の読了後と同じくらい...
自分だけが何もわかっていないのに、自分の処遇が着々と進んでいく恐怖感があっさりとした文体で語られていき、そのあっさり感故、案外最後は謎が解けて、そういうことだったのか、とか夢だったのか、と軽く終わるのではないかと読み進めていくと絶望が待っている感じ。 「変身」の読了後と同じくらい後味が悪く、なぜ著者はこんなストーリーばかり書くのだろうかと腹立ちさえおぼえるがこれがカフカだったな。
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主人公はヨーゼフ・K。これまでずっとヨーゼフ・ケーと発音していた。考えたらドイツ語、正しくはヨーゼフ・カーか。 『城』や『失踪者』と同じく未完の長篇。しかし、この2つとは違って、未完ながら結末部分がある。 ヨーゼフ・Kの30歳の誕生日の朝に始まり、31歳の誕生日直前で終わる不可解...
主人公はヨーゼフ・K。これまでずっとヨーゼフ・ケーと発音していた。考えたらドイツ語、正しくはヨーゼフ・カーか。 『城』や『失踪者』と同じく未完の長篇。しかし、この2つとは違って、未完ながら結末部分がある。 ヨーゼフ・Kの30歳の誕生日の朝に始まり、31歳の誕生日直前で終わる不可解な物語。展開のおもしろさはもちろんだが、読みどころはやはり登場人物どうしの問答。カフカ作品のなかでもっともカフカらしい。 巻末の池内紀の解説が興味深い。10の章は前半と後半が鏡像のように対称形をなしているという。カフカは、冒頭と結末を同時に書き出したのではないか(だから、未完成なのに、結末部分がある)。なるほど、そうかも。 これまで邦訳は9種類、みなブロート版をテクストに用いていた。池内訳が用いているのは1990年刊の手稿版。ただ、全体的な印象は大きくは変わらないかもしれない。 なお、池内訳は(原田義人訳や辻瑆訳と比べてみると)、わかりやすさを優先して、まわりくどい細部はすっとばしている箇所がある。
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