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奇跡を起こした村のはなし ちくまプリマー新書
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奇跡を起こした村のはなし ちくまプリマー新書

吉岡忍【著】

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奇跡を起こした村のはなし ちくまプリマー新書

836

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房/筑摩書房
発売年月日 2005/03/09
JAN 9784480687104

奇跡を起こした村のはなし

¥836

商品レビュー

4.1

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2018/05/30

新潟県にあった黒川村のお話。 黒川村は2005年に中条町と合併して現在は胎内市となっている。 黒川村には31歳で当選して以来、12期48年間村長を勤めた伊藤孝二郎という男がいた。 高度経済成長期、都市化が進み農村が衰退していく中で、伊藤村長は、国から補助金を引っ張り、村に仕事を作...

新潟県にあった黒川村のお話。 黒川村は2005年に中条町と合併して現在は胎内市となっている。 黒川村には31歳で当選して以来、12期48年間村長を勤めた伊藤孝二郎という男がいた。 高度経済成長期、都市化が進み農村が衰退していく中で、伊藤村長は、国から補助金を引っ張り、村に仕事を作り、観光客を呼び寄せ、村を守り抜いた。時代を知り、人情の機微に通じ、本質を見抜き、夢を描き、実行するその経営手腕は、簡単には真似できない卓越した能力である。 しかし、その能力はおそらく天性のものではない。伊藤村長は、3時まで勉強して6時に起きるような、馬力の持ち主でもあった。 かつては、中条町で天然ガスが発見されて大企業が進出し、潤っていくのを、羨望の眼差しで眺めていた。 黒川村には雪しかない。では、スキー場を作ろう。全ては村役場職員の手作りのスキー場から始まった。 時代も良かった。高度経済成長期で、観光客が集まった。補助金も引っ張れた。 しかし、それを可能にしたのは、村長を筆頭にした試行錯誤の努力であった。なぜなら、同じ条件で同じようなことができずに衰退した村がたくさんあるからだ。 したがって、本書は一人のカリスマ的村長がいれば、ここまでできるという成功例である。 では、いまの時代はどうか。時代が違う。人々が求めているものが違う。その通りだが、伊藤村長が示したのは、どんな波も引き受けて、知恵を絞り、ビジョンを描き、実行することの大切さではなかったか。本気になって阿修羅のように戦えば、どんな状況でも活路が見出せる。その人間の可能性ではなかったか。

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2014/06/12

日本にも、こんな村があったんだと思わせてくれた1冊。同じ集中豪雨で同じ災害が起こらないように「改良復旧」させること、補助金制度を活用するための地道な努力やポイント、村役場の人たちの留学制度、これから中山間地域で取り組むべきモデルをやってみての経験知がたくさん詰まっている本だと思う...

日本にも、こんな村があったんだと思わせてくれた1冊。同じ集中豪雨で同じ災害が起こらないように「改良復旧」させること、補助金制度を活用するための地道な努力やポイント、村役場の人たちの留学制度、これから中山間地域で取り組むべきモデルをやってみての経験知がたくさん詰まっている本だと思う。なぜ、先進的な取り組みをしている地域が国内にも外を見ればあるのに、困っている地域が出てきてしまうんだろう。もっと多くの人に知られていい地域だと思うし、奥多摩でも活かせそうなアイデアもありそうだと思いました。すでに村はなくなり胎内市となっているとのことだけど、一度、訪ねてみようかな。

Posted by ブクログ

2011/11/23

豪雪、大水害、過疎という苦境を乗り越え、農業と観光が 一体化した元気な姿に生まれ変わった黒川村。小さな町や村 が生き残るための知恵を教えてくれる一冊。 かつて新潟県に黒川村という村があった。現在は、合併によ り消滅してしまったが、連続12期48年村長を勤めた、 伊藤孝...

豪雪、大水害、過疎という苦境を乗り越え、農業と観光が 一体化した元気な姿に生まれ変わった黒川村。小さな町や村 が生き残るための知恵を教えてくれる一冊。 かつて新潟県に黒川村という村があった。現在は、合併によ り消滅してしまったが、連続12期48年村長を勤めた、 伊藤孝二郎の剛腕により、産業を起こし活性化したという。 国や県から補助金を得て施設を作るということは、何処でも やっている。伊藤が違うのは、徹底的に本物にこだわったと ころである。 ホテル、スキー場、農産物加工施設等は全て村営。役場職員 を1年間、ヨーロッパに派遣し研修させる。人材育成に費用 を惜しまない。 本場に学んだ、ソーセージやヨーグルト、チーズ、ビールを 作る。地元の農産物を使い地産地消する。余剰を村外に売る という考え方なので、需要が安定している。 施設を相互にリンクさせることで相乗効果を高めるという。 県内でも、とある村では、名物村長が、農林業で活性化させ るとして、指導力を発揮し、補助金を使い村の主要産業とし ていた。懐具合はわからないが、傍目には効果をあげている ようにみえる。 となり村でも、補助金を使い施設を整備していたが、あまり 効果を上げていないようにみえる。 首長の力量が如実に表れるのが、怖いところである。 本書は、公務員必読の一冊であろう。特に役場職員に読んで 欲しい。 本書を読んで、黒川村に行ってみたくなりました。

Posted by ブクログ

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