奇跡を起こした村のはなし の商品レビュー
新潟県にあった黒川村のお話。 黒川村は2005年に中条町と合併して現在は胎内市となっている。 黒川村には31歳で当選して以来、12期48年間村長を勤めた伊藤孝二郎という男がいた。 高度経済成長期、都市化が進み農村が衰退していく中で、伊藤村長は、国から補助金を引っ張り、村に仕事を作...
新潟県にあった黒川村のお話。 黒川村は2005年に中条町と合併して現在は胎内市となっている。 黒川村には31歳で当選して以来、12期48年間村長を勤めた伊藤孝二郎という男がいた。 高度経済成長期、都市化が進み農村が衰退していく中で、伊藤村長は、国から補助金を引っ張り、村に仕事を作り、観光客を呼び寄せ、村を守り抜いた。時代を知り、人情の機微に通じ、本質を見抜き、夢を描き、実行するその経営手腕は、簡単には真似できない卓越した能力である。 しかし、その能力はおそらく天性のものではない。伊藤村長は、3時まで勉強して6時に起きるような、馬力の持ち主でもあった。 かつては、中条町で天然ガスが発見されて大企業が進出し、潤っていくのを、羨望の眼差しで眺めていた。 黒川村には雪しかない。では、スキー場を作ろう。全ては村役場職員の手作りのスキー場から始まった。 時代も良かった。高度経済成長期で、観光客が集まった。補助金も引っ張れた。 しかし、それを可能にしたのは、村長を筆頭にした試行錯誤の努力であった。なぜなら、同じ条件で同じようなことができずに衰退した村がたくさんあるからだ。 したがって、本書は一人のカリスマ的村長がいれば、ここまでできるという成功例である。 では、いまの時代はどうか。時代が違う。人々が求めているものが違う。その通りだが、伊藤村長が示したのは、どんな波も引き受けて、知恵を絞り、ビジョンを描き、実行することの大切さではなかったか。本気になって阿修羅のように戦えば、どんな状況でも活路が見出せる。その人間の可能性ではなかったか。
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日本にも、こんな村があったんだと思わせてくれた1冊。同じ集中豪雨で同じ災害が起こらないように「改良復旧」させること、補助金制度を活用するための地道な努力やポイント、村役場の人たちの留学制度、これから中山間地域で取り組むべきモデルをやってみての経験知がたくさん詰まっている本だと思う...
日本にも、こんな村があったんだと思わせてくれた1冊。同じ集中豪雨で同じ災害が起こらないように「改良復旧」させること、補助金制度を活用するための地道な努力やポイント、村役場の人たちの留学制度、これから中山間地域で取り組むべきモデルをやってみての経験知がたくさん詰まっている本だと思う。なぜ、先進的な取り組みをしている地域が国内にも外を見ればあるのに、困っている地域が出てきてしまうんだろう。もっと多くの人に知られていい地域だと思うし、奥多摩でも活かせそうなアイデアもありそうだと思いました。すでに村はなくなり胎内市となっているとのことだけど、一度、訪ねてみようかな。
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豪雪、大水害、過疎という苦境を乗り越え、農業と観光が 一体化した元気な姿に生まれ変わった黒川村。小さな町や村 が生き残るための知恵を教えてくれる一冊。 かつて新潟県に黒川村という村があった。現在は、合併によ り消滅してしまったが、連続12期48年村長を勤めた、 伊藤孝...
豪雪、大水害、過疎という苦境を乗り越え、農業と観光が 一体化した元気な姿に生まれ変わった黒川村。小さな町や村 が生き残るための知恵を教えてくれる一冊。 かつて新潟県に黒川村という村があった。現在は、合併によ り消滅してしまったが、連続12期48年村長を勤めた、 伊藤孝二郎の剛腕により、産業を起こし活性化したという。 国や県から補助金を得て施設を作るということは、何処でも やっている。伊藤が違うのは、徹底的に本物にこだわったと ころである。 ホテル、スキー場、農産物加工施設等は全て村営。役場職員 を1年間、ヨーロッパに派遣し研修させる。人材育成に費用 を惜しまない。 本場に学んだ、ソーセージやヨーグルト、チーズ、ビールを 作る。地元の農産物を使い地産地消する。余剰を村外に売る という考え方なので、需要が安定している。 施設を相互にリンクさせることで相乗効果を高めるという。 県内でも、とある村では、名物村長が、農林業で活性化させ るとして、指導力を発揮し、補助金を使い村の主要産業とし ていた。懐具合はわからないが、傍目には効果をあげている ようにみえる。 となり村でも、補助金を使い施設を整備していたが、あまり 効果を上げていないようにみえる。 首長の力量が如実に表れるのが、怖いところである。 本書は、公務員必読の一冊であろう。特に役場職員に読んで 欲しい。 本書を読んで、黒川村に行ってみたくなりました。
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【日本縦断参考本】 行政とは 暮らすための集団とは こうあるものなのだろうなぁ と感心しました。村や 市任せでもなく、中央におもねることもなく、地に足つけて その土地の良さを守りながら 生活基盤を立てていく。 この村の住民が うらやましくなりました。
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[ 内容 ] 豪雪、大水害、過疎という苦境を乗り越え、農業と観光が一体化した元気な姿に生まれ変わった黒川村。 小さな町や村が生き残るための知恵を教えてくれる一冊。 [ 目次 ] 1 山あいの村の宿命 2 村が流された! 3 豊かさの意味 4 「魔物」から村を守る 5 本物をつく...
[ 内容 ] 豪雪、大水害、過疎という苦境を乗り越え、農業と観光が一体化した元気な姿に生まれ変わった黒川村。 小さな町や村が生き残るための知恵を教えてくれる一冊。 [ 目次 ] 1 山あいの村の宿命 2 村が流された! 3 豊かさの意味 4 「魔物」から村を守る 5 本物をつくりたい! 6 このあとをだれが継ぐのか [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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すべての、公務員と呼ばれる方によんでほしい 田舎だからとか、災害がどう、ではなく 民の税金で暮らしているという、その人たちの生き様、 村を守るための知恵の出し方、 自らの故郷を守ることこそが、仕事なんだ それは、奇跡なんかじゃない、当り前のこと
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2008.2 村役場の人達誰もが「経営者」の意識を高く持っているんだと感じた。 0から初めて、周辺知識を吸収すること。どんな仕事にも共通なのかもしれない。
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昨日の電車での移動中に、一気に読み終えてしまった一冊です。著者の吉岡さんの構成がテンポよく読ませることもありますが、とある村をめぐる歴史が劇的なため、その先を知りたいと思い、どんどん読んでしまいました。公務員であろうが、どの職であろうが、一番大事なのはプロ意識、職人気質にあるのか...
昨日の電車での移動中に、一気に読み終えてしまった一冊です。著者の吉岡さんの構成がテンポよく読ませることもありますが、とある村をめぐる歴史が劇的なため、その先を知りたいと思い、どんどん読んでしまいました。公務員であろうが、どの職であろうが、一番大事なのはプロ意識、職人気質にあるのかもしれないと思いました。就職を考えるときや、今自分が仕事に真摯に向き合えているかと悩んだときに、読んでみると自分の軸をきちんと修正できそうです。
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