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御家騒動 大名家を揺るがした権力闘争 中公新書
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御家騒動 大名家を揺るがした権力闘争 中公新書

福田千鶴(著者)

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御家騒動 大名家を揺るがした権力闘争 中公新書

836

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社/
発売年月日 2005/03/25
JAN 9784121017888

御家騒動

¥836

商品レビュー

4.2

5件のお客様レビュー

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2010/05/28

書籍で取り上げられる…

書籍で取り上げられることも多く、歌舞伎の題材などにもなっている江戸時代の御家騒動。定説となっている「幕府に騒動が露見すると改易」という見方を、一次資料を丹念に考証することでバッサリと否定してみせる、眼から鱗の快作。一次資料を一つ一つチェックしていく手法は冗長と映るかもしれませんが...

書籍で取り上げられることも多く、歌舞伎の題材などにもなっている江戸時代の御家騒動。定説となっている「幕府に騒動が露見すると改易」という見方を、一次資料を丹念に考証することでバッサリと否定してみせる、眼から鱗の快作。一次資料を一つ一つチェックしていく手法は冗長と映るかもしれませんが、個人的には好感が持てます。大筋とは関係ないのですが、黒田官兵衛に取り立てられたと思っていた後藤又兵衛が実は長政の子飼いだったというところは本当に驚きました。

文庫OFF

2025/01/05

「江戸幕府の成立期に、そもそも幕府は御家騒動を理由に大名を改易するという方針では臨んでいなかった。しかし、乱世から平和な時代に移り変わるにつれ、下克上的な世界が凍結され、社会全体が伝統化を志向するようになると、武家社会の問題としては、戦国期の武士の行動理念である器量・器用の原理に...

「江戸幕府の成立期に、そもそも幕府は御家騒動を理由に大名を改易するという方針では臨んでいなかった。しかし、乱世から平和な時代に移り変わるにつれ、下克上的な世界が凍結され、社会全体が伝統化を志向するようになると、武家社会の問題としては、戦国期の武士の行動理念である器量・器用の原理に基づく流動的な主従の関係を固定化し、いかに安定した秩序を作り上げるかというところに課題が残されるようになった。そこで、寛永期(1624〜44)も後半になると、主従不和をめぐる家中騒動の裁定において、幕府は主従双方に厳しい処罰を…しかし、その後も家中不和による騒動は引き起こされ、相変わらず幕府の裁定に持ち込まれるという紛争解決の構造は変化しなかった。これに対する幕府の方針は、家中騒動は大名家内部のことであり、本来的に「公儀」で扱う筋のものではないとする考えから、不干渉の立場をとっていた。…ただし、…幕府の権威で騒動を収拾するよう…要請があり、紛争解決者としての立場からその処理に当たっていた。これを大きく変える画期となったのが、…越後騒動であった。ここで、幕府はいかなる家中騒動であろうとも、それが幕府裁定に持ち込まれた場合には改易に処する重罪であるという新たな罪の概念を創出…。その結果、これ以後の騒動は…幕府に裁定を持ち込むことはほとんど稀となる。」229〜230頁 御家騒動が一度起きれば幕府は積極的に介入し、それが大身の外様大名であれば改易処分を積極的に行い、譜代や親藩大名に領地をあてがうという「物語」を粛々と否定している。新書らしい良著。

Posted by ブクログ

2015/07/02

主君はなぜ主君たり得るのか。それは主君としての器量があるからである、という戦国の論理から、主君は主君であるから主君なのである、という近世の論理への転換過程が、「御家騒動」の豊富な事例を通して描かれている。 主君に「器量」を求める条項が、武家諸法度から抹消されたことが示すように(...

主君はなぜ主君たり得るのか。それは主君としての器量があるからである、という戦国の論理から、主君は主君であるから主君なのである、という近世の論理への転換過程が、「御家騒動」の豊富な事例を通して描かれている。 主君に「器量」を求める条項が、武家諸法度から抹消されたことが示すように(34頁)、少なくとも近世中期以降は家筋を尊重する伝統化社会へ転換していったとする著者の指摘は非常に明快。 丸山眞男の「「である」ことと「する」こと」(『日本の思想』岩波新書)では、江戸時代は「である社会」、すなわち主君「である」から主君なのである、という社会として描かれているが、それが作り出されたものであることを、本書は教えてくれる。 丸山の言うように「である」→「する」への転換を近代化と定義してしまうと、戦国時代はバリバリ近代ってことになるんだよなぁ・・・

Posted by ブクログ

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