商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2005/02/18 |
JAN | 9784006020880 |
- 書籍
- 文庫
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商品レビュー
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前巻の終盤、主人公梶が憲兵隊との衝突が原因で、召集令状が届いて終了した。中巻では、梶が軍隊に所属して、その後、戦場に赴いて本格的に戦闘するまでが大きな流れである。 前巻に続いて、組織としての軍隊の存在が記述されている。そこでは、組織間での上下関係の厳しさ、また異性に対する異常...
前巻の終盤、主人公梶が憲兵隊との衝突が原因で、召集令状が届いて終了した。中巻では、梶が軍隊に所属して、その後、戦場に赴いて本格的に戦闘するまでが大きな流れである。 前巻に続いて、組織としての軍隊の存在が記述されている。そこでは、組織間での上下関係の厳しさ、また異性に対する異常な執着、妄想など、良くも悪くも人間の内面が垣間見える。そこでの暮らしはただ理不尽で、合理的な判断が通用しない。そのような状況下で、梶は初めは特に変わった様子はなかったものの、物語が後半に進むにつれて、軍隊の論理に飲み込まれていき、かつての上司のように、威圧的な雰囲気に至るのは印象的である。 自分はまともだと思ってたつもりが、いつのまにか組織の価値観に染まっていき、組織の論理で物事を判断する様子は傍から見て恐ろしい。人間が集団に所属すると、一人でいるときよりも理性が正常に働かないことは、この物語に限らず、現代の日本の組織に当てはまるのではないだろうか。
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いよいよ軍隊に入れられて、初年と2年目。軍の不条理にどこまで屈するのか、ヒューマニズムの実験は続く。しかし、ドキュメンタリー調でもあり、われわれ戦争を知らない世代は読んだ方がいい。いかに不条理かがよくわかるから。
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軍需産業で行われる捕虜に対する理不尽な振る舞いに耐えきれず、反抗してしまった主人公は、兵役免除の特典を取り消され、徴兵される。今度はさらに理不尽な組織である「軍」で過ごすことになる。まともに生きようとすればするほど、まともでない方法でなければ生きていけない環境に押し込まれるという...
軍需産業で行われる捕虜に対する理不尽な振る舞いに耐えきれず、反抗してしまった主人公は、兵役免除の特典を取り消され、徴兵される。今度はさらに理不尽な組織である「軍」で過ごすことになる。まともに生きようとすればするほど、まともでない方法でなければ生きていけない環境に押し込まれるという悲惨な状況。「正しさ」の基準も変容してしまうが、自分であったらどうするかを考えさせられる。
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