商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/ |
発売年月日 | 2005/03/16 |
JAN | 9784003369012 |
- 書籍
- 文庫
自由と社会的抑圧
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自由と社会的抑圧
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商品レビュー
3.3
12件のお客様レビュー
まず、25歳にしてこれだけの論考ができることに驚いた。 ヴェイユがこの哲学論文を書いた1934年という、ヨーロッパが国民国家とファシズムと社会主義によって二度の大戦の狭間で撹拌された時代背景を念頭に置きつつ読み進めると、やや皮肉に寄った修辞を含みつつも、そのマルクス批判の鋭さや抑...
まず、25歳にしてこれだけの論考ができることに驚いた。 ヴェイユがこの哲学論文を書いた1934年という、ヨーロッパが国民国家とファシズムと社会主義によって二度の大戦の狭間で撹拌された時代背景を念頭に置きつつ読み進めると、やや皮肉に寄った修辞を含みつつも、そのマルクス批判の鋭さや抑圧の発生と作用への考察、自由を規定し得る要素への眼差し、などどれもヴェイユ自身と当時の社会にとって切実なものであることが感じ取れた。 ヴェイユの考える抑圧に満ちた人間社会は、人々に不幸と理不尽をもたらすものでしかないように思えてくるが、その処方箋は、理性(思考と行為の繋がり)に裏付けられた自由を各個人が持ち、その間を生が自由として流れるようにし、自然的且つ過酷な環境下で友愛に満ちた関係性の中で身体的労役で覆い尽くすことであるというふうに示されており、若くしてヴェイユのある意味で厳しい労働観が、あるべき自由な社会に繋がるものとして構想されているように思う。ただ、そういう展望の人生はしんどいなぁとぬるいことを思わずにはいられない。 冒頭に掲げられたスピノザとマルクス・アウレリウス(共に僕の好きな哲人だ)の引用が、この頃のヴェイユの根本的価値観に通底するように感じられたことには、ある種の嬉しさを覚えた。それは、汎神論とギリシャ哲学を繋ぐパスが、ヴェイユの考える労働の哲学が厳密に科学たり得るための有意義なツールとして垣間見える気がしたからだ。
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【由来】 ・大学の図書館で目についた。「根をもつこと」と一緒にどんなもんかと。 【期待したもの】 ・ 【要約】 ・ 【ノート】 ・ヴェイユはまだ自分のスコープじゃないみたい。難しいし、「読んでやろう!」って気持ちになれなかった。 【目次】
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フランスを代表する思想家ヴェイユによるマルクス主義批判。若書きゆえの荒削りな部分はあるものの、批判内容はとても説得力があり興味深く読めた。機会があれば、他の著作も読んでみたいと思う。
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