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故郷の岩屋(上)
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故郷の岩屋(上)
¥2,640
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商品レビュー
3.7
6件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
思ったよりもスムーズにジョンダラーの家族たちに迎えられるエイラ。 ちょっと拍子抜け。 あんなに受け入れられなかったらどうしようとびくびくしていたジョンダラーが、結果的には一番平頭のことを気にしていたのかもしれない。 ひとつ納得いかないのが、ジョンダラーのいとこであるブルケヴァルの存在。 平頭の血が4分の1入っている彼は、そのことで幼いころからいじめを受けていたが、ジョンダラーはかばっていた、と。 ジョンダラーは故郷に戻ってくるまで一度もそのいとこのことを思い出さなかったのか? 一度も思い出さずに平頭に嫌悪感を抱いていたというのか? 家族と同じくらいのタイミングでエイラと会った、ジョンダラーの元恋人ゼランドニ。 エイラがあまりにはきはきと彼女たちの知らない新しい知識や技術を語るので、ゼランドニ―一族の精神的支柱であるゼランドニが気を悪くするのではないかとひやひやした。 もしゼランドニが無駄にプライドの高い人なら、エイラに反発したと思う。 しかし、ここの関係は今のところ両構想だ。 もう一人の元カノであるマローナは、エイラに恥をかかせようと、親切を装って男の子の下着を着せて笑いものにしようとした。 ジョンダラーもこんな人と結婚するつもりだったのかと、あきれてしまうね。
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長い旅が終わりを迎えてついにゼランドニー族の洞へ。 ジョンダラーがマムトイ族のところにいた時に危惧していたような事は起こらず。 母親にも昔の女にも素晴らしいって思われる相手を連れて来れて良かったねジョンダラーって思いました。 嫌がらせ…女の恨み怖い…
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第5部「故郷の岩屋」はじめから数えて11さつめ。 遠い遠い旅路だった。第4部の最後で見えたゼランドニー族の洞穴に到着したのは、マムトイ族の集いの場所から旅立って一年、ジョンダラーにとっては5年の時を経ていた。 ゼランドニー族の住まいは、第4部「平原の旅・上」にも書いたとおり、...
第5部「故郷の岩屋」はじめから数えて11さつめ。 遠い遠い旅路だった。第4部の最後で見えたゼランドニー族の洞穴に到着したのは、マムトイ族の集いの場所から旅立って一年、ジョンダラーにとっては5年の時を経ていた。 ゼランドニー族の住まいは、第4部「平原の旅・上」にも書いたとおり、フランスの南部にある。古代史に詳しい方ならご存じだろう、フランスには多くの壁画が残されている。 洞穴の中の馬などの動物たち。その場所として描かれているのが今回の舞台だ。 不安を抱きながらもエイラは到着し、ジョンダラーの家族に暖かく受け入れられる。辛くとも、かけがえのない人に出会い、強靱な精神と肉体、知識と技を磨き上げた幼少期、それを基礎として工夫を加えた青年期、そして、出会いと別れをくり返し、人とのふれあいと自らの役割を自覚しつつある成年期、と、たゆまぬ努力と共に成長してきたエイラ。 エイラのトーテム(守護精霊。氏族(ネアンデルタール人)がいう呼び方)はケーブライオンであり、強いトーテムを持つことは、すなわち乗り越えるべき試練の多さを示し、乗り越えた後、それだけのものを手にすることができる。それは、エイラの生き方そのものであった。 それと同質で、これまでのエイラの試練は、自然の驚異に抗するものであったり、人の仕業だとしても、あきらかに対立があり、姑息な手段でのものはなかった。 しかし、今回は、これまでのいっそ清々しいほどの悪役としてではなく、「イジワル」と形容すべき、何ともこの壮大なスケールの物語にふさわしくないような嫌がらせをされる。 壁画が示すとおり、ここには豊かな生活がある。つまり、人が多い。 別の部族でも部族集会にあたるような、ほとんどすべての同族が集まるような集会の日にはさすがに多くの人が集まるが、このゼランドニー族の洞穴には、常時200人以上の人が暮らしている。 当時としては驚異的な人数で、さすがにこの数ともなれば、多少のいじけた精神のイヤなやつはいるものである。そうした多様さをもこの地では登場させ、これまでのどの話よりも、人間関係について語られていくことになるのではないかと、そんな気がしてくる。 ともかく、これまで、意地悪の比ではない、数々の困難に立ち向かってきたエイラは、それを躱すだけではなく、しっぺ返しまでやってのけている。自分の誇りに賭けて。 ジョンダラーの子を身ごもった身体で、多くの不安はあるだろうが、不本意な屈服をしないだけの自信もまた、エイラには備わっていた。 今回は、重要な出会いがある。ジョンダラーの初恋の人、ゾレナだ。ゼランドニー族のゼランドニー、彼らの中の呪術的・精神的よりどころの中心の地位にある彼女は、はじめはエイラに驚嘆する姿を見せつつも、唯一エイラに対抗する存在と言えるのだろう。 癒やしの技と女神の御技について、唯一話ができる人物でもある。この出会いがどう展開していくか楽しみである。 某サイトより転載
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