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環境リスク学 不安の海の羅針盤
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環境リスク学 不安の海の羅針盤

中西準子(著者)

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環境リスク学 不安の海の羅針盤

1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日本評論社/
発売年月日 2004/09/20
JAN 9784535584099

環境リスク学

¥1,980

商品レビュー

4.1

18件のお客様レビュー

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2014/04/01

主に環境リスクについて論じた本。 でも、そのテーマより所々に見受けられる研究者としての矜持に感銘を受けた。 研究に対してどう取り組むべきかという信念が見える。 下水道の話など、専門ではない人が読んでも分かりやすく面白い。 もちろん、リスクとは何かどう評価するべきなのかについても...

主に環境リスクについて論じた本。 でも、そのテーマより所々に見受けられる研究者としての矜持に感銘を受けた。 研究に対してどう取り組むべきかという信念が見える。 下水道の話など、専門ではない人が読んでも分かりやすく面白い。 もちろん、リスクとは何かどう評価するべきなのかについても論じている。 環境だけではなく、ビジネスにもどうにか適用できないかと思う。

Posted by ブクログ

2014/01/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

初めは水特に上下水について始まり、BSEや環境ホルモンについて「リスク」について論じた本。 始めの上下水に関する項はちょっと専門的だけど、そのあとのリスクに関する考え方はありとあらゆる事に応用出来るし、応用すべき。 心に残った手法は リスクというものはそのものの及ぼす悪影響とそれが起こる確率で評価すべき。 逆問題として物事をとらえる。これがあったからこれが起きたと一義的に物事を決めつけるのではなく、これを引き起こした要素はなんだろうと考えていく。 それは膨大な仕事だけど、後から重大なミスはしない。 こうやって書くのは簡単だけど、世間一般は早く結論を出したがり、事なかれに走りがちだし、根拠の曖昧なわかりやすい風評に流れがち。 そんななか一人本質を追い求めた中西さんは科学者として素晴らしいだけでなく、人としても凄い勇気の持ち主だと思います。 このような世間に流されない批判的な思考及び問題に対する合理的なアプローチそして合理的または倫理的かつ行動可能な解決策を考え出すこと。 これは我々科学者、技術者が持たなくてはいけないもの。 忘れそうになるけど、忘れたらダメだね

Posted by ブクログ

2013/05/28

 先日、うちのマンションに中学生が深夜忍び込み、屋上でたばこを吸っていたという事件があった。そのため、「二度とこんなことがないように」何十万か払って非常口を鉄扉で檻のように覆う工事をした。ほんとうに、それだけ払って見合うだけものだったのか……なかなか正解は見えにくい。いちマンショ...

 先日、うちのマンションに中学生が深夜忍び込み、屋上でたばこを吸っていたという事件があった。そのため、「二度とこんなことがないように」何十万か払って非常口を鉄扉で檻のように覆う工事をした。ほんとうに、それだけ払って見合うだけものだったのか……なかなか正解は見えにくい。いちマンションのことならまだしも、環境全体にかかわることならなおさらだ。でも、その判断を助けてくれるものがある。それが「環境リスク学」だ。  「安全第一」という標語がある。でも、あれは「リスクをゼロにする」ということとしてとらえてはいけないんだという。どんなに安全そうに見えても、危険はゼロにはならない。必要なのは、費用と効果をにらみながら対策することだ、というしごくまっとうな考え方。ところが、「絶対安全と言えるか?」という脅迫や、「ゼロじゃない」ことに対する不安が、その「まっとうさ」を押しのけてしまう。たとえば、この本に載っていた例でいえば…… ・ダイオキシンの主役は、焼却炉ではなく、魚だった。 ・ダイオキシン類によるリスクは、受動喫煙による虚血性心疾患のリスクのおよそ1/100。 ・BSEのリスクを削減するために、全頭検査をするのは、ほぼ意味がない。  ……などなど。  ようするに、あれだけ騒いだ環境ホルモンも、まだ禁輸が続いているBSEも、まともな常識というより、「ヒステリー状態」で対策されているんだなぁということ。  この「環境リスク学」の考え方が、今後ますますまっとうな「常識」として考えられるようになると、すこしは世の中、ましになると思うんだが。  とにもかくにも。今年読んだ科学啓蒙書のなかで、いちばん刺激的で、いちばん意外な知識を得られて、いちばん読み物としておもしろかった。とくに第1章、この著者の「最終講義」は、痛快さと、人情と、教訓にあふれ、まるで講談のようなおもしろさ。ぜひご一読を。 (以上2004年に読んだあとのレビューを転載、でもいまでもかわらぬ名著です。)

Posted by ブクログ

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