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未完の肖像 ハヤカワ文庫クリスティー文庫77
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未完の肖像 ハヤカワ文庫クリスティー文庫77

アガサ・クリスティ(著者), 中村妙子(訳者)

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未完の肖像 ハヤカワ文庫クリスティー文庫77

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2004/01/15
JAN 9784151300776

未完の肖像

¥1,144

商品レビュー

3.9

16件のお客様レビュー

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2010/05/28

ミステリーの女王アガ…

ミステリーの女王アガサクリスティが別名義で発表した純文学小説。一人の女性の人生を丹念に描いている。苦しい時何も言わずに助けてくれるのは親だけなのだと感じた。

文庫OFF

2010/05/28

本書は、推理小説では…

本書は、推理小説ではないのでご注意ください。恋愛小説ですよ。結婚に失敗して、絶望の淵に沈み込んだシーリアの心理を巧妙に描いています。クリスティーというと推理小説作家というイメージがありますが、恋愛小説も一流なんですね。

文庫OFF

2024/06/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

シーリアという女性の半生が描かれている。 優しい両親や、前時代的だがよき理解者である祖母に愛され、シーリアは満ち足りた幼少期を送る。父の死で一家は傾くものの、美しく成長したシーリアには数多の男たちが言い寄ってくる。そんな中でシーリアは、のんびりして包容力のあるピーターの求婚を受ける。シーリアには慎重に結婚相手を決めてほしいピーターは、外地勤務の終わる2年後まで結婚を待つように言って旅立つが、その間にダーモットが現れる。結局シーリアは、ピーターとの婚約を破棄してダーモットを選ぶことに。 優しくて魅力的なダーモットとの間に娘も生まれ、シーリアは幸せだった。だが、幸福に思われた結婚生活にも次第に翳りが見え始める。シーリアの中に積み重なっていくダーモットへの小さな不満が、現代的な感覚から見ても非常にリアル。また、娘のジュディーとの不和も胸を締め付ける。このあたりは『春にして君を離れ』にも見られるクリスティの母娘観に通ずるものがある。 どんな時でも味方でいてくれた母ミリアムの死を契機にシーリアの人生は瞬く間に暗転し、ついに破局を迎える。 1年を「長過ぎる」と言って待つことができないダーモットが、選ばなかったピーターとの対比になっている。 選ばなかった後悔や人生の悲哀、虚しさが凝縮されており、シーリアの、繊細で優しいが故の苦しさが読者にダイレクトに伝わるところもこの作品の大きな特徴である。 愛さえあれば、という幻想を真正面から打ち砕く冷徹さ。500ページを超える長編なので、時間をかけてゆっくり読み進めることでより一層シーリアの人生を垣間見ている感覚を味わえる。ダーモットがシーリアに言った「いつまでも美しくいてほしい」という呪いの言葉にゾッとした。

Posted by ブクログ

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