商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
| 発売年月日 | 2004/11/12 |
| JAN | 9784480088833 |
- 書籍
- 文庫
虜人日記
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虜人日記
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商品レビュー
4.5
14件のお客様レビュー
戦争の現実を絵と文字で記録。描かれた内容は大変悲惨なものだが、記録的で客観視された中立的な短い文章なので、分かりやすいし、自分だったらと思いながら読み進めた。 1944年頃の南方の戦いは、戦うことも出来ない状況。食料や武器の補給もなく、圧倒的に戦力差がある中で、生き残るのは、運と...
戦争の現実を絵と文字で記録。描かれた内容は大変悲惨なものだが、記録的で客観視された中立的な短い文章なので、分かりやすいし、自分だったらと思いながら読み進めた。 1944年頃の南方の戦いは、戦うことも出来ない状況。食料や武器の補給もなく、圧倒的に戦力差がある中で、生き残るのは、運と体力と個人的な知識と冷静な目が必要だと思うが、そんな単純に言える事でもない。 戦争で日本が現地の人にしたこと、日本軍の体罰をするルール、情けない上役と、堂々たる人間性を持った人物、文化的嗜みを持ち続けた人、欧米人の命を大切にする考え方など、印象的な箇所がたくさんあった。 著者の中で、勝戦国は一国家的な考えじゃなく、全世界的な見方で平和を築いて欲しいと書かれていた。戦争は嫌だ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本作は、醸造技術をもつ企業人が軍属としてフィリピンへ派遣され、業務を行い(アルコール製造)、終戦を迎え、捕虜として過ごした筆者の、およそ二年ばかりの日記であります。 ・・・ 類似の作品に、た山本七平氏による『一下級将校の見た帝国陸軍』がありますが、本作はこれとは大きく毛色が異なります。『一下級―』が文字通りの戦中記であり、九死に一生を得るかのごとくの怨讐に満ちた筆致で生死の淵を描くのに対し、本作は後方支援部隊からの視点であり、緊張度は若干低めかもしれません。 ただし、小松氏の超然とした視点は、女遊びに現を抜かす日本軍兵、その兵士が苦しんでいるジャングル行軍に自分の女とその荷物を運ばせようとする将校、人はいるものの物資も食料もない現地の状況(ロジスティック不全)、等々を克明に捉えています。 また小松氏の描写は、現場から常に一歩引いており、時に詩歌や絵画の挿絵があり、ジャングルでの調理シーンなどはむしろユーモアすら感じぜずにはいられないものでありました。限界的状況でも文化的精神を失わない氏の人格には敬服するばかりです。それゆえか読んでいてまったく凄惨な気持ちになりませんでした。 ・・・ もう一つ驚くのは、本作が氏の死後にその家族によって私家版として出版されたことです。 つまり氏は本稿を出版することなく亡くなっているのです。あとがきで娘さんが書かれているように、まさか父が思想的にこのようなことを考えていたとは露知らなかったとのこと。それだけ本作の信ぴょう性は高まろうかとも思います。筆者は自らの記憶をとどめるためだけに書いていたということでしょう。記録とは実に大事であります。 ・・・ ということで戦記物でありました。 読んでどうなるというものではないでしょうが、やはり感じるのは、自分で考え、表現すること、の大事さであります。筆者は単なる軍属とはいえ、キチンと自身の意見をもち、時に将校にも議論をし、行動を決定していました。人の死のタイミングは多分に運命に左右されますが、それまでの人生はやはり己の掌中に持っておきたい、そう感じた読書体験でありました。
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軍属としてフィリピンに配属された技術者が、アルコール製造(燃料として軍用に使った)に奮戦し、米軍上陸により山中に逃れ、捕虜になって日本に帰ってくるまでの日記。戦争中の記録が半分、捕虜になってからの記録が半分といった分量。 このあいだずっとメモは取っていたそうだが、この形にまとめ...
軍属としてフィリピンに配属された技術者が、アルコール製造(燃料として軍用に使った)に奮戦し、米軍上陸により山中に逃れ、捕虜になって日本に帰ってくるまでの日記。戦争中の記録が半分、捕虜になってからの記録が半分といった分量。 このあいだずっとメモは取っていたそうだが、この形にまとめたのは捕虜になって相当してからとのことなので、2年間くらいの激動をさかのぼって書いていることになる。なかなか驚くべき記憶力だ。 軍人でないという立ち位置がもたらす観察者的視点のおかげで貴重な記録となっている。個人的には、まず極限的な状況を生き残ったサバイバル記録として読めるのだが、多くの人になにか日本文明論(たしかにそうした記述は多い)として受容されているあたりは日本的ではないか。 かなり悲惨な状況も淡々と描かれるし、そういったことを淡々と受け流せないと生き残れなかったとも思うのだが、最後に名古屋に上陸するとき「何の感激もない」とは言うものの、「レイテ島の○○○○」と大きく書いたのを掲げた婦人を見て、レイテの人で生きている人などいないのに、と泣く。読んでいるほうも、ふっと力が抜ける気がした。
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