商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 1956/05/06 |
JAN | 9784003380116 |
- 書籍
- 文庫
旧約聖書 創世記
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旧約聖書 創世記
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3.5
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序盤は、天地創造、エデンの園、ノアの方舟、バベルの塔、ソドムとゴモラなど寓意性に満ちている。 神が人間を創ったことを悔いて悲しむという表現に、神学によって全知全能が強調される前の人間味のある神の姿を見ることができる。 中盤以降は、アブラハム以下4代の民族創建の物語だ。 しばしば...
序盤は、天地創造、エデンの園、ノアの方舟、バベルの塔、ソドムとゴモラなど寓意性に満ちている。 神が人間を創ったことを悔いて悲しむという表現に、神学によって全知全能が強調される前の人間味のある神の姿を見ることができる。 中盤以降は、アブラハム以下4代の民族創建の物語だ。 しばしばヤハウェの基準の不明瞭な態度のせいで、ときに兄弟で出し抜き合い命を狙い合う、血なまぐさい話が散見される。 それは勧善懲悪的な通俗的道徳を示す説話的なものではない。 むしろ、神のきまぐれこそが道徳であるというかのような、恐ろしくも絶対的な神の観念の称揚といえる。 カインとアベルにしても、エサウとヤコブにしても、長子優先の秩序が、神の介入でいともたやすく転倒させられるのが興味深い。(「長子権」という概念はあり、本家の長子が一切を相続し領導するという観念自体はあるようだ。) 古代社会において、明確で堅固な一族内の地位の序列が定まっていたほうが、社会は安定しただろう。そのような安定性を差し置いてまで、神に気に入られた者、ないし神にとって有能な者が、一切を相続するという思想には興味を引かれる。 また、神のみならず、人の「祝福」という儀礼が非常に重視されていたことが分かる。
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諸宗教の源流となっている旧約聖書。これを読まずして今の世界を見ることはできない!ということで、まずは創世記から。 まず思ったのは、これは今(ユダヤ教成立時)に至るまでに何が起きたのかを記す、歴史書のような構成になっていること。新約聖書のような"教え"の要素は...
諸宗教の源流となっている旧約聖書。これを読まずして今の世界を見ることはできない!ということで、まずは創世記から。 まず思ったのは、これは今(ユダヤ教成立時)に至るまでに何が起きたのかを記す、歴史書のような構成になっていること。新約聖書のような"教え"の要素はかなり少ない。 また、これも切に感じたのは、神はなかなかに気ままであるということ。「カインとアベル」「イサクの献供」など、人間の尺度ではあまり理にかなっていないと感じる場面が多くある。これは、努力した分だけ絶対に報われる、というわけではない世界の理不尽や不条理を表しているのだろうか?次に読む「ヨブ記」もその要素が強いはずなので、とても楽しみだ。 「葡萄つくりのノア」には、黒人差別の正当化に使われているのでは!?と驚いた一説もあった。(本当の意味としてはおそらく、カナン人が神の民であるイスラエル人に滅ぼされることを示唆?)
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なぜヤコブは父を出し抜いたのか。なぜヤハウェはここまで贔屓をしたりと万人に平等ではない人間的な神なのか。後から多くの疑問が湧いてくる傑作であった。 その他、登場人物たちの複雑な血縁関係(それも、妾の子供も入ってきてさらにそれを複雑にしている)の細かい描写から、旧約聖書が書かれた頃...
なぜヤコブは父を出し抜いたのか。なぜヤハウェはここまで贔屓をしたりと万人に平等ではない人間的な神なのか。後から多くの疑問が湧いてくる傑作であった。 その他、登場人物たちの複雑な血縁関係(それも、妾の子供も入ってきてさらにそれを複雑にしている)の細かい描写から、旧約聖書が書かれた頃の社会はよほど血筋といったものを大事にしていたのであろうことが想像できた。有名なノアの方舟・ソドムとゴモラの炎、バベルの塔の描写は原作ではあまりにもあっさりとしていて意外であった。
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