旧約聖書 創世記 の商品レビュー
序盤は、天地創造、エデンの園、ノアの方舟、バベルの塔、ソドムとゴモラなど寓意性に満ちている。 神が人間を創ったことを悔いて悲しむという表現に、神学によって全知全能が強調される前の人間味のある神の姿を見ることができる。 中盤以降は、アブラハム以下4代の民族創建の物語だ。 しばしば...
序盤は、天地創造、エデンの園、ノアの方舟、バベルの塔、ソドムとゴモラなど寓意性に満ちている。 神が人間を創ったことを悔いて悲しむという表現に、神学によって全知全能が強調される前の人間味のある神の姿を見ることができる。 中盤以降は、アブラハム以下4代の民族創建の物語だ。 しばしばヤハウェの基準の不明瞭な態度のせいで、ときに兄弟で出し抜き合い命を狙い合う、血なまぐさい話が散見される。 それは勧善懲悪的な通俗的道徳を示す説話的なものではない。 むしろ、神のきまぐれこそが道徳であるというかのような、恐ろしくも絶対的な神の観念の称揚といえる。 カインとアベルにしても、エサウとヤコブにしても、長子優先の秩序が、神の介入でいともたやすく転倒させられるのが興味深い。(「長子権」という概念はあり、本家の長子が一切を相続し領導するという観念自体はあるようだ。) 古代社会において、明確で堅固な一族内の地位の序列が定まっていたほうが、社会は安定しただろう。そのような安定性を差し置いてまで、神に気に入られた者、ないし神にとって有能な者が、一切を相続するという思想には興味を引かれる。 また、神のみならず、人の「祝福」という儀礼が非常に重視されていたことが分かる。
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諸宗教の源流となっている旧約聖書。これを読まずして今の世界を見ることはできない!ということで、まずは創世記から。 まず思ったのは、これは今(ユダヤ教成立時)に至るまでに何が起きたのかを記す、歴史書のような構成になっていること。新約聖書のような"教え"の要素は...
諸宗教の源流となっている旧約聖書。これを読まずして今の世界を見ることはできない!ということで、まずは創世記から。 まず思ったのは、これは今(ユダヤ教成立時)に至るまでに何が起きたのかを記す、歴史書のような構成になっていること。新約聖書のような"教え"の要素はかなり少ない。 また、これも切に感じたのは、神はなかなかに気ままであるということ。「カインとアベル」「イサクの献供」など、人間の尺度ではあまり理にかなっていないと感じる場面が多くある。これは、努力した分だけ絶対に報われる、というわけではない世界の理不尽や不条理を表しているのだろうか?次に読む「ヨブ記」もその要素が強いはずなので、とても楽しみだ。 「葡萄つくりのノア」には、黒人差別の正当化に使われているのでは!?と驚いた一説もあった。(本当の意味としてはおそらく、カナン人が神の民であるイスラエル人に滅ぼされることを示唆?)
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なぜヤコブは父を出し抜いたのか。なぜヤハウェはここまで贔屓をしたりと万人に平等ではない人間的な神なのか。後から多くの疑問が湧いてくる傑作であった。 その他、登場人物たちの複雑な血縁関係(それも、妾の子供も入ってきてさらにそれを複雑にしている)の細かい描写から、旧約聖書が書かれた頃...
なぜヤコブは父を出し抜いたのか。なぜヤハウェはここまで贔屓をしたりと万人に平等ではない人間的な神なのか。後から多くの疑問が湧いてくる傑作であった。 その他、登場人物たちの複雑な血縁関係(それも、妾の子供も入ってきてさらにそれを複雑にしている)の細かい描写から、旧約聖書が書かれた頃の社会はよほど血筋といったものを大事にしていたのであろうことが想像できた。有名なノアの方舟・ソドムとゴモラの炎、バベルの塔の描写は原作ではあまりにもあっさりとしていて意外であった。
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旧約聖書最初の5つの書『創世記』『出エジプト記』『レビ記』『民数記』『申命記』は「モーセの五書」と呼ばれる。 モーセはなぜこの5書を書いたのか?それはエジプトを脱出し、これから約束の地カナンに入る前に、現在の若者たちにこれまでの歴史を知ってもらいたかったからである。当初エジプト...
旧約聖書最初の5つの書『創世記』『出エジプト記』『レビ記』『民数記』『申命記』は「モーセの五書」と呼ばれる。 モーセはなぜこの5書を書いたのか?それはエジプトを脱出し、これから約束の地カナンに入る前に、現在の若者たちにこれまでの歴史を知ってもらいたかったからである。当初エジプトで囚われた世代はもはやおらず、現在エジプトでのみ生まれ育った若者は、アダムとイブも、ノアの方舟もアブラハム契約も知らない。 旧約聖書の神は契「約」の神である。特に創世記はユダヤ人に関してというよりは人類全体の始まりを解説している。なぜ神が畏れるべき存在なのか、それはこの世界の創造者であるからだ。神の声を聞いたことのない人々にはそれを伝える必要があったのだ。
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読んでみて驚いたのは、有名な「(天地)創造」や「ノアの方舟」が、『旧約聖書創世記』冒頭のほんの一部分だったことでした。むしろ、それ以外の記述の方が断然多かったです。「ノアの方舟」など、一部の話だけが有名になっていたことに、本当に驚きました。 また、登場する人間の寿命が異常に長いで...
読んでみて驚いたのは、有名な「(天地)創造」や「ノアの方舟」が、『旧約聖書創世記』冒頭のほんの一部分だったことでした。むしろ、それ以外の記述の方が断然多かったです。「ノアの方舟」など、一部の話だけが有名になっていたことに、本当に驚きました。 また、登場する人間の寿命が異常に長いです。亡くなった時に200歳くらいの人もいたと思います。本当にそうだったらすごいなぁ、と思いながら読みました。
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ゲーム『ゼノサーガ』の考察のために購入。 E.S.の名前の由来が、ヤコブの子の名であることが分かった。 神がアブラハムにカナンの地を約束の地として、与えた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
思ったより読みやすかった。シンプルな文で、わりと淡々とでもすごいスピードで。 始めのほうは、知られている聖書の話!の短編集のように進んだけれど、アブラハムから最後までは、その子孫の話、男女、家族、兄弟の人間関係にまつわる話。
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分かっているのに理解は出来ないことって世界にはたくさんありすぎて。 ヨセフのはなしで泣きそうになる。
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2019.4.9 非常に読みにくいと思っていたが、巻末の解説を読んで腑に落ちた。 乱暴に言えば素材が同じでありながらも、成立の異なる資料を合体して1つに編纂した、という事なんだろう。 そう考えると非常に面白い
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