商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | せりか書房 |
発売年月日 | 2002/01/20 |
JAN | 9784796702379 |
- 書籍
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インタビューの社会学
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インタビューの社会学
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
小田博志のフィールドワーク入門の推薦本である。インタビューでライフワーク、いわゆる生活史を聞くためには、ということでいろいろと方策が書かれている。 読んで面白かったのは、あとがきでグループの調査長に怒られたことと、高齢者の聞き取りに挑戦した学生が、結局高齢者はほとんど話してくれ...
小田博志のフィールドワーク入門の推薦本である。インタビューでライフワーク、いわゆる生活史を聞くためには、ということでいろいろと方策が書かれている。 読んで面白かったのは、あとがきでグループの調査長に怒られたことと、高齢者の聞き取りに挑戦した学生が、結局高齢者はほとんど話してくれなかったが、半年以上その高齢者のもとに通い詰めた学生が、学生の自分のライフワークとして自分を語ったということである。
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インタビューとは、単に語り手に語ってもらうのではなく、インタビューと語り手が相互に作りだしていくストーリーである、というのになるほど、と思った。 「語りを聞く聞き手が登場することで、初めて人は語ることができる」p.37 映画「ヘルプ」を思い出した。聞き手がいても、語ることをため...
インタビューとは、単に語り手に語ってもらうのではなく、インタビューと語り手が相互に作りだしていくストーリーである、というのになるほど、と思った。 「語りを聞く聞き手が登場することで、初めて人は語ることができる」p.37 映画「ヘルプ」を思い出した。聞き手がいても、語ることをためらっていたメイド達が語り始めたのは、何故だったか。何を語るか、も重要だけど、語るか語らないか、まずそこがひとつの関門。 インタビューで気をつけること。 インタビュアーのほうが多くを話していないか。 インタビューの進め方が誘導的になっていないか。 ライフヒストリー研究がほかの質的調査法と区別される特質は特に「個人の主観的現実」 p.56 「社会科学の大部分は<客観的なもの>を得ようと努める。しかし、生活史研究は、主観的なものの領域をあきらかにしようとするもの」 めったに自己を語ることのない人が、語ることによって自分の言葉を発見し、語るに値しないと思われている人生の断片が「声」となることこそが、ライフストーリーインタビューの醍醐味 p.171 実証主義の伝統は、社会調査を神話と常識を越えるものと位置づけ、自然科学をモデルにした実験的、量的方法を中核にすえて人間行動の予測と統制を社会科学の目的としてきた。科学的事実は客観的で量的なものとされ(…中略)、人間の相互行為にもとづいた質的なインタビュー調査は非科学的で補助的な方法とされてきた p.192 「ごく普通」「平均的」(…中略)という表現が意図するのは、ここで記述されるライフヒストリーは特別な個人ではなくある社会的カテゴリーの成員であって、語られたことはとりたてて個性的なものではなく、その社会的カテゴリーの一員なら誰にでも妥当することなのだという著者のレトリックなのである。 p.193 重要なのは、この物語が事実か否かにあるのではない。なぜこの伝承が生まれて人に語り継がれてきたのかということである。p.199 私達は必ずしも「外的基準」をもつ「歴史的真実」や「個人史的現実」を求めているのではなく、むしろ「語りの真実」や『自伝的真実」のもつ「内的一貫性」にこそ、まず関心をおいている p.202
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「生(ライフ)」には3つある。 体験としてのライフ、 経験としてのライフ、 そして語りとしてのライフである。 いま―ここ、 あのとき―あそこ。 なぜライフストーリーを聞くのか、 どうやってライフストーリーを聞くのか、 実例をもとに解説してくれています。 被差別部落の語りを中...
「生(ライフ)」には3つある。 体験としてのライフ、 経験としてのライフ、 そして語りとしてのライフである。 いま―ここ、 あのとき―あそこ。 なぜライフストーリーを聞くのか、 どうやってライフストーリーを聞くのか、 実例をもとに解説してくれています。 被差別部落の語りを中心に、 フィールドワークの面白さを体感できる本として とても良書だと思います。
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