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これで古典がよくわかる ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2001/12/10 |
JAN | 9784480036902 |
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これで古典がよくわかる
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商品レビュー
4.2
58件のお客様レビュー
古典って嫌いだなぁ……
古典って嫌いだなぁ…文法暗記しなくちゃいけないんだもん……、そんな高校生にオススメです。文法も「何故?」を考えれば面白い。
文庫OFF
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
中学生の息子が「古典わからん…」と言ってきた。以前は「国語の読解わからん」と言ってきたので、「これ読んでみ」と自分も途中で投げ出した読解についての分厚い文庫本を渡したら、「なんかこれならサイズ感とか読む気する」と意外にも読んでいるみたい。ならば、次は古典…。私も苦手(´∀`=) 図書館で本書を借りてみたものの、暫く手をつけず[返却、借りる]を繰り返し、「息子のため」とやっと読み始めた。すると何と!とても面白い。読み始めると止まらない。 著者も書いているが、一般的な古典の解説本とはかなり違う。色々な古文を載せて、現代語訳をしながら解説…は殆どしない。 日本が自国の言葉を作らず、漢字を駆使してどう使いやすい日本語にしていったか、などがまず書かれている。確かに、漢字がとても多い文章の古典の試験問題もあったし、割とひらがなが多い、でもちんぷんかんぷんな問題文もあったな、と、本書を読んだ後なら合点がいく。 「和歌は女性をくどくために詠まれた」 「源実朝は都に憧れるオタク青年」 係り結びの「〜こそ+已然形」←懐かしい! が出てきたら「〜っていうのが、ホント、◯◯なんだよなァ」と、 「あはれ」は「ジーンとくる」 「をかし」は「すてき」と訳せばよい など、面白おかしく、わかりやすく教え、そして、古典は、私たちと同じようにその時代を生きていた人が使っていたものなんだ、ということを感じさせてくれる。 途中、『徒然草』の冒頭の「あやしうこそものぐるほしけれ」をどう訳すか、を長々と楽しそうに説明してくれる。現代の私たちでも「わかったような気がする、、」ではなく、「本当に感覚としてしっくり来た」となるまで、工夫してあーだこーだと説明してくれる。そこまでわかりやすくならないと、まだ[訳したりていない]という。かっこいいな、プロだなぁと思った。 ふざけた風にに書いていたのに、突然講義をする教授口調になるのも微笑ましい。チャーミングな方だなぁと何度も読んでいる途中、顔写真を見る。 そして、一番心に残ったのは、 「和歌はむずかしい」と言う人は、「自分にはむずかしい和歌の意味がわからないのだ」と思っていることが多いが、実はそうそうじゃない。「きれい」と言うことに鈍感なんだ。だから、まず、「きれい」を知ってください。 というところ。 「そして、夜になったら月を見ましょう。そしてきれいだな、と思いましょう。そして、なんとなくせつなくなりましょう。昔の人も同じことをしていたんです」と勧める。 行き当たりばったりで、"へー"と言って感心する大切さ、感受性の広さ鋭さを養う大切さを説いている。 古文を楽しそうに読み解いていく橋本治さんのその姿を見せる(感じさせる)ことこそが、教育の本質だと感じた。 ダメ元で、この本も息子にプレゼントしてみよう。
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とっても面白かった! 古典は慣れること。書かれた時代、言葉が違うのだから難しいのは当たり前。 まずは冒頭を覚える。暗唱するまで。 余計な知識はいらない。 そして「をかし、あはれ」など、 当時の人たちが感じていた感情を同じように感じてみる。 月を見よう、梅の花を嗅ごう。(P228な...
とっても面白かった! 古典は慣れること。書かれた時代、言葉が違うのだから難しいのは当たり前。 まずは冒頭を覚える。暗唱するまで。 余計な知識はいらない。 そして「をかし、あはれ」など、 当時の人たちが感じていた感情を同じように感じてみる。 月を見よう、梅の花を嗅ごう。(P228など) P181 「古典を書くのも、いま詠むのもみんな同じ人間。だからどこかに接点はある。昔の人たちもみんなその時代に生きていた。現代人だった。」 P219 古典が教えてくれるのは、 「え、昔から人間はそうだったの?」 という人間に関する事実。 とんでもない(元)現代人でいっぱい! ☆P62 紀貫之が古今和歌集の序文で言っていることが刺さった。 「和歌は人の心の中にある感情を核として生まれた言葉によってできている。生きている人間は日々忙しいが故に、さまざまな感情を生む。ほれがあるからこそ人間は見聞きすることで、自らの感情を形にした歌を詠むのだ」と。 日本人にとってその感情を最もよく表現する道具は 日本製の平仮名だった。 →なるほど。だからこそ和歌には人の感情がいっぱいいっぱい込められているのだな。 P47 昔の人はカタカナでカンニングをしていた。 P53 漢字は男のもの。平仮名は女のもの。女が漢字本を読むなんて気持ち悪い! それが平安時代。 P57 紀貫之は 女になりきって、土佐日記を書いた。当時は漢文ばかりの時代。日記に用いるのは漢字。しかし紀貫之は和歌の名人。歌は万葉仮名で詠むもの。つまり、平仮名は女しか使わないもので、それで日記を書くのだから、当然平仮名になる。ひらがなの文章を書くためなら女にでもなる!という紀貫之。 いとをかし!! P60 様々な人が自由に詠んだ詩を集めた万葉集に対して、 勅撰和歌集は国家事業として作られた本。 P72 作者が歌人で、主役は和歌。という伊勢物語。 P74.5 紫式部は紫式部日記の中で、清少納言はやな女!と書いている。 平安時代は、「女は漢字の外にいるべきだ!」というのが常識だった。 いくら男たちが声に出して漢詩を歌っても、あまり女の子ところには届かない。 ならば届けてみせようじゃないか、と彼らは平仮名で和歌を詠み、贈ったという。 つまり、和歌は団所が恋愛状態になるときや、その後に贈るラブレターのようなものだった。 →P78 平安時代の和歌が、ほとんど言葉や感情を同じだった。 P112 源氏物語が難解なのは、平仮名だらけで、登場人物がやたらと多く、それぞれが複雑な気持ち心理や社会的地位背景を抱えており、主語が平気で抜けているため。 P140 源実朝は、和歌を詠む将軍。「金子恵美塊和歌集」 将軍だが和歌を愛していた珍しい人。 →P158 「はかなくて 今宵あけなば ゆく年の 思ひ出もなき 春にやかはなむ」 大晦日に思う。この1年何の思い出もなかった・・・と孤独に押しつぶされそうになる歌。 はかない。。。 P147 平安時代の貴族たちは 「京都以外には文化がなく、他の地はまともな人間関係の住むところではない」と考えていた。 P168 藤原定家は、源氏物語や新古今和歌集からの本歌取りが多い。楽しむには教養が必要。 だからこそ、源実朝の シンプルさが際だつ。
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