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ファストフードが世界を食いつくす
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ファストフードが世界を食いつくす

エリックシュローサー(著者), 楡井浩一(訳者)

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ファストフードが世界を食いつくす

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 草思社/
発売年月日 2001/08/10
JAN 9784794210715

ファストフードが世界を食いつくす

¥1,760

商品レビュー

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2021/05/18

『#ファストフードが世界を食いつくす』 ほぼ日書評 Day411 正直、かなり読後感の悪い一冊だ。詰まらないということではなく、見てはいけない物事の裏側を、偶然目にしてしまった感覚だ。 タイトルから容易に想像される内容は、米国で深刻化する肥満の問題。さらに健全でない食肉生産...

『#ファストフードが世界を食いつくす』 ほぼ日書評 Day411 正直、かなり読後感の悪い一冊だ。詰まらないということではなく、見てはいけない物事の裏側を、偶然目にしてしまった感覚だ。 タイトルから容易に想像される内容は、米国で深刻化する肥満の問題。さらに健全でない食肉生産の工程(身動きできない家畜がホルモン剤で太らされる的な)。 もちろん、そうした内容もかなりの紙面を割いて、克明に語られる。本書の刊行が20年前だから、今はさすがにそんなことはなかろう、と軽やかにスルーしたくなるレベルでだ。 他方、驚かされるのが、貧困問題との兼ね合い。 2001年当時、既に「アメリカでは今や、飲食店労働者の少なくとも6分の1が、英語を第二外国語としており、そのうち約3分の1は、英語全く話さない(…)メニューの商品名しかわからない従業員も多く、彼らが話すのは"マクドナルド英語"」だという。 調理マシンについても「1つのやり方でしか動かない機械を開発すればいい(…)機会が1つの手順しか受け入れなければ、従業員教育はほとんど必要なくなりますよ」という。 人間を徹底して生産システムの歯車として取り込む仕組みが作られる。ファストフード店で働く店員の大半がティーンエイジャーであるが、1999年の調査によれば「飲食店の全従業員のほぼ半数が、食品以外に、何らかの形で現金化備品を盗んだことがあるという。盗む額は、平均で年に約218ドル。新入りの従業員は、さらに100ドルほど多い」という。人生の入り口で経験する灰色の未来が、貧困を定着させ、拡大する。 精肉工場労働者はさらに悲惨。ある工場の年間離職率は400%、平均3か月で辞めるかクビになる計算。経営者曰く「工場によっては、おそらく3人に1人が、いかなる言語も読み書きできません」。もはや、英語ができないというレベルの問題ではない。が、これについても、保険や有給休暇にかかるコストを勘案すれば、頻繁な人の入れ替わりはコスト削減策となるというのだ。 さらに牛肉処理場の利益率はきわめて低いため、収益性向上のためにはラインのスピードを上げるしかなく、結果、人手によるしかない解体作業に使われる各種の刃物が、ちょっとした手違いで、隣で作業を行う同僚に襲いかかることとなる。 ただ、最も酷い仕事は、さらにあるという。ちょっと引用が憚られるので、興味のある方は、本作に当たってみて欲しい。 最後に米国のファストフード市場に関するデータ。彼らがファストフードに費やした金額、1970年には60億ドル(当時のレートで2兆円超、これでも多いと思うが)だったものが2000年には1100億ドル(100円換算で11兆円)になったという。 対して、日本の市場規模は、ネットで「2019年-2020年のファーストフード業界の業界規模(主要対象企業10社の売上高の合計)は1兆1,440億円」という記事があった。 一方のアメリカは2013年時点で1900億ドルに達しているというデータもあり、この金額を3.28億人(米国人口)で割ると、赤ちゃんから老人までを含めて1人年間約6万円をファストフードに費やしていることとなり、我が国とは文字通り桁違いだ。 https://amzn.to/2T17yb2

Posted by ブクログ

2018/11/25

外食産業に工場のラインと同様な仕組みを取り入れたことにより、生産性があがり廉価な商品が提供できるようになったマクドナルド。マクドナルドを手本に、さまざまなファーストフード産業が登場した。ファーストフードに共通するのは、機械化を進め、人が行う作業は極力、簡易なものに。そして、工場は...

外食産業に工場のラインと同様な仕組みを取り入れたことにより、生産性があがり廉価な商品が提供できるようになったマクドナルド。マクドナルドを手本に、さまざまなファーストフード産業が登場した。ファーストフードに共通するのは、機械化を進め、人が行う作業は極力、簡易なものに。そして、工場は移民、店舗はティーエイジャーを雇い、人件費も圧縮したことである。そのために、生じた様々な問題を明らかにしている。この本を読むと、ファーストフードは極力食べないようにしようと感じた。そして、安い食べ物を追い求めるのではなく、適切なお金を払って頂くと言う考え方が大切だと感じた。

Posted by ブクログ

2017/01/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2001年刊。◆約20年前までのFF業界の実情は、創業当初、創業者の努力に依拠し事業を発展させた。が、巨大化過程の歯車が動くにつれて、取引先等の利害関係者を呑み込み、蹴散らしていった。これが本書で描く過程。この巨大化過程は、ディズニーに準えたイメージ戦略、香料・旨味成分の科学的分析による販路拡大等に依拠。他方、経費低減化として①非正規労働者の利用・失業率低減政策による補助金獲得、②フランチャイジーへの契約での拘束と、同業の中小零細他社の駆逐、③購買独占によって農畜産業者への価格競争力を獲得し、圧迫する。 しかる後に、融資・種芋供給によって契約農家や畜産業者を物納小作人化、さらには、農業・畜産業の少数大規模企業化を進展する一方、対立する中小農家の駆逐を図り、利益集中を実現。さらには、精肉加工工場の実態は驚愕すべきで、エンドユーザーまでも利潤獲得先とする徹底ぶり。この状況が現在も変わっていないだろう。なお、FC契約での格差間は日本でも同様に妥当し、税金掠め取りも将来の懸念。もちろん、食の安全性は、BSE問題とも通底しており、暗然とする実態が開陳される。百円でハンバーガーを食べる真の意味を感得できる書。

Posted by ブクログ

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