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読むことの歴史 ヨーロッパ読書史
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 大修館書店/ |
発売年月日 | 2000/05/01 |
JAN | 9784469250640 |
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読むことの歴史
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最初に買った本が傷んで背がもげたので買い直した本。何回読んでも興味深い情報が詰まっている。 ただしユダヤ教徒について詳しくないらしい邦訳者が担当している章があって「荒野放浪記念祭」と訳された個所が分からなかった。「仮庵の祭り」ではいけないのだろうか?「ボンベルクの印刷によって...
最初に買った本が傷んで背がもげたので買い直した本。何回読んでも興味深い情報が詰まっている。 ただしユダヤ教徒について詳しくないらしい邦訳者が担当している章があって「荒野放浪記念祭」と訳された個所が分からなかった。「仮庵の祭り」ではいけないのだろうか?「ボンベルクの印刷によって『マソラ』を付した聖書の初版本」でマソラ本文につける大マソラや小マソラの訳注として「七-十世紀に書かれたヘブライ語の旧約聖書注釈本」は意味不明。 対抗宗教改革後のカトリック教会が「霊的な読書を促す書籍群」の中で「ルイス・デ・グレナダの『罪人達のための案内書』」という本が出て来る。フランス語でグラナダを「グレナダ」と読むらしいが「ルイス・デ・グラナダ」の「ぎやどぺかどる」としてキリシタン書で知られている本。キリシタン書を取り上げているわけではないので「ぎやどぺかどる」という書名ではまずいだろうが知っていれば触れてもよかっただろうか。教文館のキリシタン文学双書や安土・桃山時代の国文学などの翻刻本で「ぎやどぺかどる」のような本が出ているがルイス・デ・グラナダはフランスでも読まれているのが分かる。だからルイス・デ・グラナダの著書が日本語訳されたわけだ。もっとも引用されている聖句をはじめとしてヨセフスや教会教父の著書、ギリシャ・ローマの古典や故事などを理解出来る日本人は限られていただろう。ハビアンのように国書や神仏については詳しくても(北陸出身にしては禅僧だったからか親鸞については知識がなさそうだが)カトリックの教義はそれほど知識がないらしいし。 田川建三の「書物としての新約聖書」にはカルヴァン派が訳したフランス語の方のジュネーヴ聖書がフランス語圏(というより当時のフランス王国)では普及しなかった理由を書いていないが要は「異端」の翻訳なのでフランス王国では読めないという事だった。それこそノストラダムスが指摘する「ジュネーヴ」は「異端」のカルヴァン派の巣窟が本当の意味の可能性が高い。そのジュネーヴ聖書を使って自らのフランス語訳聖書を出した神父が出て来るがヘブライ語やアラム語、ギリシャ語などを底本にしたのか、それともウルガタが底本?田川建三は英訳のドゥエ・ランス聖書はウルガタからの翻訳だと否定的に書いているが「俗語」で聖書を訳す事自体が禁書目録入りして異端審問にかけられる可能性大なのに何故カトリック教会は英訳聖書を許容したのだろうか?これはジャンセニストとは別の話だ。注釈という「この「副次的テクスト」を巡っては、カトリックの当局が、プロテスタントによる聖書の翻訳そのものよりも、こうした欄外での注解をはるかに恐れていたことを、ここで改めて指摘しておくのも無意味ではないだろう」いつの頃からかカトリックの聖書翻訳には「教会の指導による読み」を推奨する立場としても注釈をつけるのが当たり前になって逆にプロテスタントの聖書翻訳は「超教派」の立場で「聖書のみ」と本文に簡単な注釈をつける程度になってしまったのかが知りたくなる。
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2010 1/16読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。 タイトル通り、読書史に関する論文集。ロジェ・シャルティエ目当てに手にとったが彼の執筆は序章(共著)と10章のみ。 分厚いので興味の持てた章しか本腰を入れて読むことができなかったが、それでも面白かった。 12・13章は特...
2010 1/16読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。 タイトル通り、読書史に関する論文集。ロジェ・シャルティエ目当てに手にとったが彼の執筆は序章(共著)と10章のみ。 分厚いので興味の持てた章しか本腰を入れて読むことができなかったが、それでも面白かった。 12・13章は特に興味深い・・・近現代の、比較的すぐに現在に結び付けられるところの方が面白く感じることを再確認(もっとも歴史として学ぶ際には古代~中世くらいが好きなのだけど)。 以下メモ。 ・1章:古代ギリシアの音読/木毒について、テキストや「読む」という意味の動詞から検討。 ⇒・古代ギリシアにも黙読は存在するものの、広く普及はしない。文字は音声を「発生させる」もの。 ・2章:ローマにおける巻子⇒冊子への本の移行と読書について。 ⇒・今、「読書」というと当たり前に冊子が思い浮かぶが、共和制~帝政初期の頃は巻子本なのだよな・・・キケロが巻子を持っているとか創造するとだいぶイメージが変わる。 ⇒・読書のインタフェースの変化による影響、という点では紙⇒電子以前ではかなり大きな転換か。紙⇒電子は実際には起こらないかも知れないので、現状では最大の転換点の一つ? ・3章:中世前期の修道院 ⇒・テキスト提示の工夫 ⇒・異体字の制限・・・活字の基礎へ ⇒・分かち書きの採用 ・4章:スコラ学時代 ⇒・本の数が増え始める・・・reference bookがあらわれてくる ⇒・読み方も変化・・・内容の吟味から知識最優先へ ⇒・原典の読書が減り、選集を専ら読むように・・・原典読書の貧困 ・5章:中世後期 ⇒・分かち書きの定着 ⇒・口述筆記から著者自身による執筆(自筆)へ ⇒・大学図書館建設の変化・・・黙読への強制 ⇒・声に出さない読書から風刺・冷笑的な態度へ ・6章:ユダヤ人社会の読書 ・7章:人文主義者の「読み」について、マキャヴェリが政治課題解決の糸口のために古典を読んでいたことが現代人には奇異に映る、というところかスタートし入りこんでいく。 ⇒・写本⇒印刷への移行時にも一部で反発はあり ⇒・写本業者と本の体裁、その読者の受け入れ方 ⇒・人文主義者による本への書き込み ・8章:宗教改革に印刷術の果たした役割について ・9章:読書と反宗教改革について ⇒・Index=禁書目録、という訳の記述例あり ⇒・一般的な語用なのか? ⇒・プロテスタントと同じようにカトリックも反宗教改革に印刷術を用いている ⇒・聖職者、信徒(一般/文盲)の読書について ・10章:「民衆的」読者 ⇒・職人、零細商人、一部農民等の中世後期~近代以前の読書について ・11章:18世紀末の「読書熱」の広まり=読書革命について ⇒・集中的読書(精読)⇒拡散的読書(多読)へ ⇔・文学作品等への「感傷的」で「仰々しい」読みの登場 ⇒・公共的な図書館は新しい読書欲求を満たすものではなかった ⇒・商業的な貸出図書館 ・12章:19世紀・・・識字率の高まりと新たな読者 ⇒・女性、子ども、中下層階級 ⇒・図書館の目的(労働者を指導者階級の価値体系にとりこむ社会統制の道具)と、現実(労働者より女性、学生、ホワイトカラーが利用、娯楽>実用・教育) ⇒・労働者は時間がない・・・勤務時間の短くなる冬や不況・失業時に図書館の利用が増える ・13章:読書未来の話 ⇒・認められた作家・作品からなる「カノン」とその社会的受容(そしてそこに図書館が果たしている役割)と批判(娯楽への傾倒or伝統的西欧偏重への反発)・弱体化について
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