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「根拠」への探究 近代日本の宗教思想の山並み シリーズ・近代日本の知第5巻
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 晃洋書房 |
発売年月日 | 2000/12/01 |
JAN | 9784771011977 |
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「根拠」への探究
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近代日本において「宗教」という営みが直面した問題をめぐる、12人の執筆者の論考を収録している。 第1部第1章「精神と霊性」で気多雅子は、明治に入って徳川幕府の庇護を失った仏教は危機を迎えることになったと指摘する。そうした状況の中で、仏教がもっている深い精神的内容を提示することを...
近代日本において「宗教」という営みが直面した問題をめぐる、12人の執筆者の論考を収録している。 第1部第1章「精神と霊性」で気多雅子は、明治に入って徳川幕府の庇護を失った仏教は危機を迎えることになったと指摘する。そうした状況の中で、仏教がもっている深い精神的内容を提示することをめざした宗教思想家として、清沢満之と鈴木大拙だった。満之の「精神主義」や大拙の「霊性」は、人間存在の普遍的な宗教性という地平を示す考えだった。西洋的合理性の浸透によって宗教的空間が近代日本から失われてゆく時代に、彼らは西洋的合理性の「もう一つ向こう」を見るということをおこなったのである。満之と大拙、さらに第1部第4章でB・デービスが紹介している西谷啓治などの優れた宗教思想家によって、デカルトのコギトに代表されるような近代的自己の内面性を宗教的な事実性へ向けて切り開く道筋が示された。こうして、宗教の事実性が、ヨーロッパ近代の思想・哲学と仏教的精神土壌とを結びつける場所となり、またこの事実性において近代的自己の内面性は日本人のものとして根づくことが可能になったのである。 そのほか、内村鑑三のキリスト教理解や、夏目漱石の文学作品に現われた「求道」などの検討を通じて、宗教の日本的なあり方を考察した論考などを収録している。なお、個人的に興味深かったのは第2部第4章の「「反哲学」の風土」だった。この論考では、「自然宗教」に「創唱宗教」を対置させる発想が岸本英夫に由来することを突き止め、「啓示宗教」と対置されるような、原理に関わる分類項としての「自然宗教」という概念が、いわば状況に関わる概念へ、つまり宗教の発生的事情を説明する概念へと変容したことが明らかにされている。
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