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ローマ五賢帝 「輝ける世紀」の虚像と実像 講談社現代新書

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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 1998/01/22 |
JAN | 9784061493896 |
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ローマ五賢帝
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ローマ五賢帝
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商品レビュー
4.1
7件のお客様レビュー
塩野七生「ローマ人な物語」の副読本として最適。 ローマ五賢帝時代は、ローマ帝国最盛期、光の時代だったように思われている。 しかし、ローマ帝国の光の部分だけでなく、権力闘争渦巻く闇の時代でもあったことを赤裸々に描く。 五賢帝とは誰か? ネルヴァ-トラヤヌス-ハドリアヌス-アント...
塩野七生「ローマ人な物語」の副読本として最適。 ローマ五賢帝時代は、ローマ帝国最盛期、光の時代だったように思われている。 しかし、ローマ帝国の光の部分だけでなく、権力闘争渦巻く闇の時代でもあったことを赤裸々に描く。 五賢帝とは誰か? ネルヴァ-トラヤヌス-ハドリアヌス-アントニヌス•ピウス-マルクス•アウレリウスの五人の皇帝たちだ。 彼らは、次の皇帝を養子として迎えることで、世上言われる麗しき「皇帝養子制」が生まれた。 普通自分の血統に皇帝位を継がせたいのに、それをしなかったのは偉い、と思われている。 しかし、著者はそんな麗しき皇帝養子制など存在しなかったと主張する。 あったのは政治力学だけだった、というのだ。 大体、彼らは、最後のマルクス•アウレリウスを除いて、皇帝権を継承させるべき実子を持たなかった。 だから、誰かを次の皇帝に指名せざるを得なかった。 「麗しき皇帝養子制」があったように見えるのは、ハドリアヌスが、マルクス•アウレリウスが幼少期から可愛がり帝王教育を行った、この二人の関係があるからだ。 ホモだったハドリアヌスに子供が居ないのは当然だ。 だが、ハドリアヌスとマルクス•アウレリウスの間には、アントニヌス•ピウスという凡庸な皇帝が挟まれている。 ハドリアヌスが死に近づいた時、マルクス•アウレリウスは、若干17歳。 ハドリアヌスは、マルクス•アウレリウスが成人するまでの中継ぎとして、アントニヌス•ピウスを指名したのだ。 条件は、マルクス•アウレリウスを養子にして、次の皇帝にすること。 ところが、アントニヌス•ピウスは予想外の長命で、23年間も皇帝位に座る。 そして、その間は、凡庸な皇帝が何もしなくても良いようなローマの安定期、ローマの平和が続いた。 それは先代のハドリアヌスが生涯をかけて、防衛線の強化に務めたからだった。 長寿のアントニヌス•ピウスが死去した。 満を持して、ハドリアヌスに認められたマルクス•アウレリウスが皇帝になった時、彼は30歳になっていた。 そして、先代のアントニヌス•ピウスの無作為の結果、ローマ帝国の防衛線は脆弱になっていた。 その防衛線を突破して蛮族たちがローマ帝国領に進出してくる時期が、マルクス•アウレリウスの帝位についた時期と、丁度重なる。 哲人皇帝マルクス•アウレリウスは、大好きな本を読む遑もなく、破られた防衛線の強化に奔走しなくてはならなかった。
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古代ローマのエリートたちの出身地や経歴・親族関係などの碑文資料を元に、政治における力関係を描き出す。それにより一般に知られている様とは違った五賢帝時代を見せてくれる。
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ただ淡々と歴史をつづっているのではなく、五賢帝と呼ばれた人物に存在した苦悩や実情、暴君と呼ばれた人物の手腕などを、とても客観的かつ面白く書いている。過去の歴史から読みとったイメージだけで決めつけず、どの人物の事にも公平性を持って書いている。そのため最終的な判断は読み手である私たち...
ただ淡々と歴史をつづっているのではなく、五賢帝と呼ばれた人物に存在した苦悩や実情、暴君と呼ばれた人物の手腕などを、とても客観的かつ面白く書いている。過去の歴史から読みとったイメージだけで決めつけず、どの人物の事にも公平性を持って書いている。そのため最終的な判断は読み手である私たちにゆだねられることも多い。はっきりとした意見が欲しい人にはじれったく感じるかもしれないけれど、読者に”考える”機会を与えてくれる著書というのは、素晴らしいものだと思う。 また、五賢帝の闇にスポットを当てたと著者が言っているように、五賢帝時代もローマ国民にとっては平和な時代でも、皇帝自身は決して安寧な時を過ごしたわけではなかったというのがよくわかる。皇帝の苦悩がひしひしと伝わってきて、彼らに同情すらしてしまうほど。 とても参考になる、面白い一冊でした。
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