商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 1998/01/22 |
JAN | 9784004305378 |
- 書籍
- 新書
プラトンの哲学
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プラトンの哲学
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商品レビュー
3.9
19件のお客様レビュー
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- ネタバレ
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この本の主題は「プラトン(ソクラテス)の言は、非科学的な方面に独走するようなものでは決してない」ということである。プラトンの主張で一番有名なものはやはり「イデア」であろう。これは観測不可能な完璧なものを示しているという点、紀元前の哲学であるという点から「検証不可能な非科学的なもの」というレッテルを張られ続けてきた。しかし藤沢が言うには、イデアはそのような主張に対するアンサーも包含するような、懐の深い哲学である。 -プラトンの哲学、特にその中核をなすイデア論が認識の基本的な場面において、常識的なものの見方の枠組みを-その中では見えてこない真実に目を開かせるべく-突き崩したところに成立している事、したがって、いつの時代にも大多数の人々を支配する常識の立場から、反対や誤解を受ける宿命を担っている- 以下私の解釈が多分に入る。 世界には様々な人間がいるが、その多くに共通する原理というものは存在する。それは身体性が似通っているからと捉えることもできるが、「先験的にそのものを知っているから」とも捉えることができる。それがイデアである。プラトンは、全てのものはイデアに似ているだけであり、イデアそのものではないと考えた。例えば「美のイデア」に似たところを持つものが美しいと称される。イデアが先験的な原理なのは、例えばあるものに対して「AはBより美しい」という比較が成り立つ。どのようなものにもそれ以上に美しいものが存在しうるという点でイデアは知覚不可能な場所にあると考えられる。イデアというものを追い求めているからこそ、ソクラテスは「知」に対して厳しい視点を持つし(真の知は行動を規定するとまでいう)、イデアに到達するために無限の努力を行うのである。 全てのイデアのその根本にあるものは「善のイデア」である。なぜならば、あるものが美しいと知る(何かと何かを混同せず分類できる)ことは有益で「善い」ことだからである。全てのイデアに善のイデアが介在しているという点で善のイデアが全てのイデアの根本と言える。 善のイデアというアイデアは現代にも通じる。科学技術は生き延びる為の方法であり。善く生きるためのものではない。従って環境破壊などが生じ、人間の住みにくい地球になっていっている現在の状況はプラトン哲学の視点からみると当然の帰結である。快ではなく善を。ただ生き延びるのではなく善く生きることを。これが現在にも通ずるプラトンの箴言である。
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