商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 1997/04/21 |
JAN | 9784004305002 |
- 書籍
- 新書
日本社会の歴史(上)
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日本社会の歴史(上)
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商品レビュー
3.6
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「日本列島に生きた人…
「日本列島に生きた人々の歴史」とでもいうべきユニークな通史.暗黙の前提にしてしまいがちな「日本(国)」「日本人」という色眼鏡をはずして,日本列島に生きた人々のダイナミックな歴史を描き出す.その史実の新しい見方には目からウロコ.
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たまたま入れた奈良の豊住書店で見つけた新古本。著者自身が「むすびにかえて」で書かれているが、社会の歴史というよりは政治の歴史が主な内容になってしまっている時代もある。さらに、江戸時代の後半からは展望という形で軽く触れられているだけだ。としても、自分の中では多くの学びがあった。だい...
たまたま入れた奈良の豊住書店で見つけた新古本。著者自身が「むすびにかえて」で書かれているが、社会の歴史というよりは政治の歴史が主な内容になってしまっている時代もある。さらに、江戸時代の後半からは展望という形で軽く触れられているだけだ。としても、自分の中では多くの学びがあった。だいたい、そんなことは当たり前のことなのだろうが、日本という国ができたと言っても、きっとそう思った人がいたというだけで、多くの日本列島に住む人々は、そんなこと関知せずに生きていたのだろう。時間的にも空間的にもずいぶんとあいまいなわけだ。いまのように、ここからここまでが日本国であるとか、誰が日本人であるとかはっきりしていたわけではないのだろう。それから時代区分にしてもそうだ。語呂合わせとかで年台を覚えていたとしても、そこからはっきり鎌倉時代や室町時代が始まるわけでも終わるわけでもないのだろう。だいたい、京都で元号を変えたとしても、他の場所ではそれに従わないで、自分勝手に決めていたというようなことも、何度もあるようだ。そんなこと、日本史の勉強をちゃんとしている人は分かっているのかもしれないが、僕にとってはとても新鮮な話だった。さて政治の歴史を読んでいても事実の羅列で頭をかすめていくだけなのだけれど、大河ドラマで見ている時代だけは立体的に浮き上がってきた。道長の時代、鎌倉殿の時代、真田丸の時代(真田という名前は本書には登場しなかったと思うが)。西郷どんの時代はさらっとしか触れられていないので立ち上がっては来なかったが。明治についてはかなり批判的に書かれている。いろいろな仕組みを西欧から取り入れて、追いつけ追い越せとやってきたように言われることが多いが、たとえば経済についての用語など、市場とか手形とか株式とか全く翻訳語がなく、日本で独自にそういう考え方をしていたのだ。こういう点は梅棹忠夫もよく言っていた。大陸の西の端と東の端で同じように歴史は進んでいったと。それから、海上を通してのいろいろなやりとりが早い時代から頻繁に行われていたという。また、百姓というのは農業をする人のみを指すというわけではなかったという。このあたりは網野善彦の他の著書でも読んでいた内容だが、復習になった。そして今回一番の疑問点として出てきたのが、定子や彰子の読みについてである。「さだこ」「あきこ」とふりがながある。それはどこまで一般的なのであろうか。先日、源氏物語を専門にされている先生が、大河ドラマ「光る君へ」で「さだこ」「あきこ」と呼んでいるが、そんなことはあり得ないです、とはっきりおっしゃっていた。次に会ったときに質問する材料としておこう。いやあ、まだまだ知らないことがいっぱいあっておもしろい。当たり前だけれど。
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久しぶりに日本史の通史を読んでいます。それも,網野史学です。 網野さんの本は,さすがに視点が違います。それは初っぱなからわかります。網野さんは「はじめに」で次のように述べています。 「日本社会の歴史」と題してこれからのべようとするのは、日本列島における人間社会の歴史であり、...
久しぶりに日本史の通史を読んでいます。それも,網野史学です。 網野さんの本は,さすがに視点が違います。それは初っぱなからわかります。網野さんは「はじめに」で次のように述べています。 「日本社会の歴史」と題してこれからのべようとするのは、日本列島における人間社会の歴史であり、「日本国」の歴史でもないし、「日本人」の歴史でもない。これまでの「日本史」は、日本列島に生活をしてきた人類を最初から日本人の祖先ととらえ、ある場合にはこれを「原日本人」と表現していたこともあり、そこから「日本」の歴史を説きおこすのが普通だったと思う。いわば「はじめに日本人ありき」とでもいうべき思い込みがあり、それがわれわれ現代日本人の歴史像を大変にあいまいなものにし、われわれ自身の自己認識を、非常に不鮮明なものにしてきたと考えられる。 そして,そのことば通り,まだ日本ではなかったころの日本社会の歴史を,東アジア全体の歴史的地理的観点から書き進めてくれています。だから,もう40年以上前に習った教科書で学んだだけの断片的なできごとでできあがっているわたしの中の日本の歴史が,世界とつながりながらつながっていく楽しさがありました。 本著作は上中下の3部作ですが,第3部の最後までいっても17世紀前半までらしいです。どんな話題が展開されるか,続編がたのしみです。
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