商品レビュー
3.8
16件のお客様レビュー
天狗党の話は全く知らなかった。前半登場人物も多く、複雑な情勢でなかなか進まなかったが、京に向かうと決まってからは面白くて地図を見ながら自身が天狗党になって一緒に歩いていくかのような気持ちになった。
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勝者は讃え、敗者は美しく描く。幕末劇の定番。維新で日本は植民地になることを免れ、先進国の一員となる。開国派と攘夷派がせめぎあい幸運にも成し遂げられた奇跡。その過程で生まれた多くの犠牲。…元治元年、栃木町。悲劇が起きる。焼き払われた家並み。路頭に迷う町民。家族を殺され怒りは心頭に発...
勝者は讃え、敗者は美しく描く。幕末劇の定番。維新で日本は植民地になることを免れ、先進国の一員となる。開国派と攘夷派がせめぎあい幸運にも成し遂げられた奇跡。その過程で生まれた多くの犠牲。…元治元年、栃木町。悲劇が起きる。焼き払われた家並み。路頭に迷う町民。家族を殺され怒りは心頭に発す。天狗党憎し…舞台は水戸へ。門閥派対攘夷派。それぞれの言い分。どちらにも肩入れできない。…敗れた攘夷派と天狗党の合流。京への旅路。様相が変わる。畏敬もされる。…降伏。痛々しい結末。それが綴られるのも歴史。こんな人々もいたのだ。
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德川斉昭(烈公)を崇める水戸の尊王攘夷派「天狗党」が挙兵し筑波山に立て籠もって後、幕府軍の追撃をかわしながら、徳川慶喜公を頼って京に上る百里の道半ばにして、非業の最期を迎えることになったのは何故かを思案、苦悶しながら読んだ吉村昭氏の幕末惨劇篇。安政の大獄、桜田門外事変を経てなお、...
德川斉昭(烈公)を崇める水戸の尊王攘夷派「天狗党」が挙兵し筑波山に立て籠もって後、幕府軍の追撃をかわしながら、徳川慶喜公を頼って京に上る百里の道半ばにして、非業の最期を迎えることになったのは何故かを思案、苦悶しながら読んだ吉村昭氏の幕末惨劇篇。安政の大獄、桜田門外事変を経てなお、尊攘思想を幕政に訴えるも、変転する時代の趨勢を見誤ったとするだけでは、武田耕雲斎ら352人の斬首刑、妻子や一族郎党を根絶やしにされた者の無念を一片なりとも言い表せない。水戸藩門閥派の調略と慶喜の変心が悲劇を招いた、悶絶の歴史。
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