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農民の声を聞け 「国」栄えて「民」滅ぶ日本
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農民の声を聞け 「国」栄えて「民」滅ぶ日本

坂本進一郎(著者)

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農民の声を聞け 「国」栄えて「民」滅ぶ日本

1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 御茶の水書房
発売年月日 1997/06/05
JAN 9784275016683

農民の声を聞け

¥1,980

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2026/03/20

母校中学から著者 坂本進一郎氏の2冊の本が配られ20年以上も放置されていた。読書を強制される訳でもなく、250ページほどの農業評論は改めて中学生には少し厳し目の内容だ。著者の講演会があったのかも知れないが記憶にない。あるいは教師のパイプで配布に至ったのかも知れない。当時の坂本氏は...

母校中学から著者 坂本進一郎氏の2冊の本が配られ20年以上も放置されていた。読書を強制される訳でもなく、250ページほどの農業評論は改めて中学生には少し厳し目の内容だ。著者の講演会があったのかも知れないが記憶にない。あるいは教師のパイプで配布に至ったのかも知れない。当時の坂本氏は地元・東北でコメ農家として30年ほどのキャリアがあり、同時に草の根・活動家の側面も持ち合わせ、コメ農家や農業を守るという目的のために、講演・執筆活動も精力的に行っていたようだ。Wikipediaによると亡くなる2018年(享年78歳)まで活動継続していたようである。 当時は1995年に新食糧法が施行され、いわゆる50年続いた食糧管理法から自由化への大転換が図られ、農業のビジネス化、自給率低下、農業衰退などがキーワードとなっていた時代背景がある。AIに聞くと以下のような顛末だったようで、著者の危惧はまさに的中した、という意味では単なる古い本と捨て置けない気がする。 ◾︎結論から言うと、「新食糧法で農家が死ぬ」と当時言われたほどの“壊滅”は起きなかったが、20年後には“静かな淘汰”が進み、農家数は激減し、規模拡大した一部の農家だけが生き残る構造へと再編された。米価下落・高齢化・後継者不足が重なり、結果として農家の総体は弱体化した。 さて、以上のような背景に基づき本書の感想を述べようと思う。(ここまでは2冊共通の内容) ------------- 全般的には農業の苦境とその元凶(著書の中では)である農政やマスコミによる農業叩きへの批判を経て、著者の主張する農家救済案であるデカップリング論(いわゆる所得保障をする案でヨーロッパで導入済)へと展開されるが、随所に個人史や体験談、さらに詩篇やルポルタージュ風の取材記と、著者の体温が伝わる部分も多い。また、2冊に共通して講演がベースになっている章は、ですます調だったり、お招きいただきありがとうございます、など喋りがそのまま書き起こされているようでどこか丁寧で親身な印象を受けるが時折り強い言葉が印象に残る。現代風に言うとパワーワードだがギロチンやペテン、人さらい、ヤミ米(闇コメ)、農業潰し、口封じ、など全編通して切れ味が鋭い。 他の本にも書いてる可能性があるが本書冒頭には終戦翌年に満州から引き上げ、父が3年間抑留から帰って来ず、食うに困る生活を強いられたという原点に触れている。日本国家が何をしたせいで翻弄されることになったのか。毛沢東がどう革命を成し遂げたのか。これが草の根活動の原点だったようだ。 褒めたい点はとにかくサイドストーリーが多く数字は必要十分。大潟村でのリアル。色々なところに足を運び見聞きしたリアル。最終章の新食糧法施行後に卸売り業者と一緒に直売会に生産者として同行し小売業者と対峙したルポが13ページと短いがとくに面白い。 実は捨てようと思ってこの本を読んだが、ほぼ流通していない点を鑑みても捨てるに惜しいという気がしてきた。著者の危惧は現実のものとなり、農業の脆弱性と気候変動と初期対応の遅延が合わさり令和の米騒動まで起きた。時代錯誤な本ではなく、90年代後半のリアルな農民の声として記憶しておいても良いのではないか。

Posted by ブクログ