遠い水平線 白水Uブックス115海外小説の誘惑

アントニオ・タブッキ(著者), 須賀敦子(訳者)

• 販売会社／発売会社: 白水社
• 発売年月日: 1996/08/28
• JAN: 9784560071151

商品レビュー

2024/09/30

身元不明の遺体の内に自分自身を見てしまったら、同化せずにはおれなくなったのかな。
自分もあちら側に行かねば…と。
もともと、彼女さんに合わせてだけど「旅にでなくちゃ」と言ってたスピーノだったから背中を押された、という見方もできるかもしれません。
この作品でも、主人公は色々と訪れてて移動が多い。イタリアか、良いなぁ。どの作品も風景の光がすごい。

2023/09/28

1番好きな作家の1人である須賀敦子さんなのに、翻訳を読むのは初めてで、そして改めてさらに好きになった。エッセイの時の個性は消しつつも、驚くほどに気持ちの良い文章の読み心地は、流石。殺人事件以上探偵小説未満の幻想的な物語も最高に好みな一冊。すごく好き。

2018/10/16

タブッキは本当にどんなに臭くて暑そうな場面を描いても、陰鬱で死が色濃く影を落とす場面を描いても、謎の透明感がある作家だな〜。話の筋は正直あんまりよくわかってないけど、それでも読んでいるとスッと風が小径を通っていくような感じがして心地よかった。長い休みにもう一回ゆっくりゆっくり読みたい。