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自然保護を問いなおす 環境倫理とネットワーク ちくま新書
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自然保護を問いなおす 環境倫理とネットワーク ちくま新書

鬼頭秀一(著者)

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自然保護を問いなおす 環境倫理とネットワーク ちくま新書

924

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房/
発売年月日 1996/05/20
JAN 9784480056689

自然保護を問いなおす

¥924

商品レビュー

3.8

12件のお客様レビュー

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2021/05/13

環境倫理学の系譜をたどるとともに、そこにひそむ問題を解決するための道筋を示す試みがおこなわれています。 著者はまず、「保全」と「保存」の対立や、ディープ・エコロジーとソーシャル・エコロジーの立場のちがいなどを軸に、従来の環境倫理学の思想を簡潔に紹介しています。そのうえで、これま...

環境倫理学の系譜をたどるとともに、そこにひそむ問題を解決するための道筋を示す試みがおこなわれています。 著者はまず、「保全」と「保存」の対立や、ディープ・エコロジーとソーシャル・エコロジーの立場のちがいなどを軸に、従来の環境倫理学の思想を簡潔に紹介しています。そのうえで、これまでの環境倫理学が、「人間」と「自然」という概念を独立の概念であるかのように用いていることを批判します。 さらに著者は、「生業」と「生活」、「生身」と「切り身」という、二組の対概念を導入しています。「生業」は、人間が糧を得て生活するための自然に対する働きを意味しており、「生活」は、災害をはじめとする自然から人間へと向かう働きかけとそれに対する人間の適応を意味します。この対概念を導入することで、人間と自然の双方を、緊密なかかわりあいのなかで理解する道が開かれると著者は主張します。また、人間と自然の「かかわりの全体性」のなかで、とくに社会的・経済的リンクと文化的・宗教的リンクがつながっているようなかかわりのありかたを「生身」のかかわりと呼び、ニつのリンクが切断されて自然から一見独立的に想定される人間が自然と部分的にかかわるありかたを「切り身」のかかわりと呼んでいます。 こうした観点に立つことで、環境をめぐって諸問題が錯綜している状況のなかから、「かかわりの全体性」において多様なネットワークのありようを回復するための方途がさぐられることになります。最終章ではそのケース・スタディとして、青森県と秋田県にまたがる白神山地の保護をめぐる問題についての考察が展開されています。

Posted by ブクログ

2015/01/05

なかなか素晴らしい。もっと早くによんでおけば良かった。 第1章で環境思想の系譜を、年表を添えてまとめることで、人間中心主義からの脱却の試みを概観。また第2章で、そうした思想の変遷が主にアメリカでなされてきたことの意味をまず示す。そして、途上国でも通用するような、人間と自然のかか...

なかなか素晴らしい。もっと早くによんでおけば良かった。 第1章で環境思想の系譜を、年表を添えてまとめることで、人間中心主義からの脱却の試みを概観。また第2章で、そうした思想の変遷が主にアメリカでなされてきたことの意味をまず示す。そして、途上国でも通用するような、人間と自然のかかわりのあり方を模索しようとする。そのためには「人間」と「自然」の二元論から脱却する必要があると説き、そして、新しい環境倫理の定時の材料として、「生業と生活」「生身と切り身」の二対の概念を与えた。 社会・経済的リンクと、文化・宗教的リンクの間に「つながり」を保持・回復・創出させようとする、著者鬼頭の「新しい環境倫理」には大いにうならされた。

Posted by ブクログ

2014/10/30

[ 内容 ] 環境問題はいまや地球全体をおおっている。 「地球にやさしく」「自然との共生」…至る所に時代のキーワードが氾濫しているようだ。 「自然」や「共生」とは一体何なのだろうか。 一八世紀末から始まる欧米の環境思想の系譜を鳥瞰しつつ、その問題点を明らかにするとともに、非西欧社...

[ 内容 ] 環境問題はいまや地球全体をおおっている。 「地球にやさしく」「自然との共生」…至る所に時代のキーワードが氾濫しているようだ。 「自然」や「共生」とは一体何なのだろうか。 一八世紀末から始まる欧米の環境思想の系譜を鳥瞰しつつ、その問題点を明らかにするとともに、非西欧社会をも射程に入れた新しい環境学の枠組みを構想する。 世界遺産に指定された日本の白神山地のブナ原生林を具体的な事例として、現在の自然保護の考え方を鋭く問いなおす最新の環境問題入門。 [ 目次 ] 序章 環境倫理思想のいま 第1章 環境倫理思想の系譜 第2章 新しい環境倫理をもとめて 第3章 白神山地の保護問題をめぐって 終章 わたしたちはいかにして「つながる」ことができるのか [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

Posted by ブクログ

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