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タタール人の砂漠 イタリア叢書9
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 松籟社 |
発売年月日 | 1992/01/15 |
JAN | 9784879841216 |
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タタール人の砂漠
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タタール人の砂漠
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商品レビュー
4.9
9件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
『いつか訪れるかもしれない夢を待ち続け…』 辺境の砦で、いつ訪れるかわからないタタール人の来襲を待ち続けるドローゴ。様々な選択肢がある中で、砦に留まることを選択する。ドローゴの心の機微をじっくり味わいながら読みたい一冊!!
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待つことーーー唯一私達に示されるのは「待つこと」だけだ。 時代背景も、どこにあるのかもはっきりと分からない砦を舞台にドローゴは待ち続ける。 目前に延々と広がる砂漠の向こうにはタタール人がいる。タタール人の襲来に備えて砦は存在する。 ただそれは何百年も昔の話。本当にタタール人が...
待つことーーー唯一私達に示されるのは「待つこと」だけだ。 時代背景も、どこにあるのかもはっきりと分からない砦を舞台にドローゴは待ち続ける。 目前に延々と広がる砂漠の向こうにはタタール人がいる。タタール人の襲来に備えて砦は存在する。 ただそれは何百年も昔の話。本当にタタール人が存在するのかどうか、誰も知らない。 それでも待っている。 人間は傲慢で、自分に終わりがくるなんて本気で思っていない。自分には明るい未来が待っていて、これからだと信じることで生きられる。 老いや死などまだまだ関係ない、先は長いと。 待つことで結局人生を棒に振ってしまうなんて考えもせずに。 特段のドラマも起こらない、ただただ待っているだけの話なのにすごく胸を打たれた。 ラストは悲痛で、美しい。 具体的な地名など一切ないのに、強い日差しに焼けた黄色っぽい砦がありありと目に浮かぶ。 この名著を読む機会をくれた本から引用を。 「全人類はただ存在することによって、延々と待ちぼうけを食らわせる主人公の役を演じている。」
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歴史的に戦闘があったことのない国境の砦の物語。語り継がれる”タタール人の襲撃”に備えて、無為に過ごす兵隊。空しく年齢を重ねることに恐怖を抱き、”タタール人の襲撃”を夢見るように待ち続ける。しかし国境の砂漠には何も起きない。ただひたすら待つだけのこの不条理劇が、それこそ条理だと説き伏せる力に、舌を巻いた。
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