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ショーペンハウアー 哲学の荒れ狂った時代の一つの伝記 叢書・ウニベルシタス282
6,600円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 法政大学出版局 |
発売年月日 | 1990/01/20 |
JAN | 9784588002823 |
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ショーペンハウアー
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ザフランスキーの著作では当時の時代背景や思想の流れを解説してくれます。ショーペンハウアーが生きた時代や人となりを知った上で読むとまったくその本が違って見えてきます。 やはり抽象的な「思想」といえど、それは「生きた人間」から生み出されるものです。その思想だけ見ようと思ってもなかな...
ザフランスキーの著作では当時の時代背景や思想の流れを解説してくれます。ショーペンハウアーが生きた時代や人となりを知った上で読むとまったくその本が違って見えてきます。 やはり抽象的な「思想」といえど、それは「生きた人間」から生み出されるものです。その思想だけ見ようと思ってもなかなか理解するのは難しい。思想もその時代や社会、人間と密接に関わり合って生まれてくるのだということをこの本では考えさせられます。時代背景がわかればぐっとその思想がわかりやすくなる。その素晴らしい例がこの著作であるなと思います。 難解で厳しい哲学を生み出した哲学者ショーペンハウアーだけではなく、人間ショーペンハウアーを知れる貴重な伝記です。この本が傑作と呼ばれるのもわかります。
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邦訳が出ているショーペンハウアーの伝記としてはほかに『ショーペンハウアー全集』(白水社)の別巻に収められたヴィルヘルム・グヴィナーによる『身近に接したショーペンハウアー』と、ロロロ叢書シリーズのアーベントロートによる『ショーペンハウアー』がある。前者はショーペンハウアーの側近に...
邦訳が出ているショーペンハウアーの伝記としてはほかに『ショーペンハウアー全集』(白水社)の別巻に収められたヴィルヘルム・グヴィナーによる『身近に接したショーペンハウアー』と、ロロロ叢書シリーズのアーベントロートによる『ショーペンハウアー』がある。前者はショーペンハウアーの側近によるリアリティあふれる記録文書として、後者は多くの写真が添えられた読みやすい入門書として、いずれも魅力的なショーペンハウアーの伝記であるが、内容の豊富さ、新しさ、精確さ、および入手のしやすさ等の点から総合的に評価するならば、本書が桁外れの充実性と信頼性を誇るショーペンハウアー伝であることは恐らく疑う余地がない。 「哲学の荒れ狂った時代」という副題が示すとおり、ショーペンハウアーが生きた時代はドイツ哲学の全盛期であった。カント、ヘーゲル、ショーパンハウアー、ニーチェなどといった天才がこれほど集中して出現したのは、世界史においても類を見ないのではないだろうか。 言うまでもなく伝記というものはその人物の人生が魅力的だから書かれるわけではない。その人物の業績が魅力的だからこそ、人生にも照明が当てられることになる。だが大抵の場合、業績に比して人生は退屈なケースが多く、とりわけもっぱら言葉の世界で生きる哲学者に関しては、書かれた言葉と比較して行動レベルでの人生の無味乾燥さに唖然とさせられることがしばしばである。思想と行為は別であり、哲学とは行為という足枷から思想を解放しなければ不可能な営みであろうことを思えば、それも無理からぬ話ではあるのかも知れない。 だがことショーペンハウアーに限っては、その心配は無用である。幸か不幸かアカデミズムへの入城がかなわなかった彼の孤独な人生は、幼年時代の世界旅行、父親の自殺と商業から学業への転向、母親および妹との不和、ヘーゲルヘの一方的な敵対心、ゲーテやワーグナーとの関係、幾多のスキャンダルと晩年の遅い名声等々、ワイドショー的なネタにも事欠かない。独身主義を主張していながら43歳のときに17歳の少女へ求婚(もちろん失敗)しているなど、微笑ましいエピソードも満載である。ショーペンハウアー初心者にはお薦めできないが、今後この類の本が書かれる可能性の低さを鑑みても、ショーペンハウアー愛読者には必携・必読の書である。
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