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みずうみの満ちるまで
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 早川書房 |
| 発売年月日 | 2025/01/21 |
| JAN | 9784152104922 |
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みずうみの満ちるまで
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商品レビュー
3.2
6件のお客様レビュー
第13回ハヤカワSFコンテスト特別賞、受賞おめでとうございます!最近全体的に低調なコンテストではあるものの、SF作家・編集者から一定の評価がなされているわけなので、今後早川書房から第2作目が出版されることを偏に期待している。 一般にSFはサイエンス・フィクションと定義されている...
第13回ハヤカワSFコンテスト特別賞、受賞おめでとうございます!最近全体的に低調なコンテストではあるものの、SF作家・編集者から一定の評価がなされているわけなので、今後早川書房から第2作目が出版されることを偏に期待している。 一般にSFはサイエンス・フィクションと定義されているが、半世紀前からはファンタジー小説もSFの仲間になっている。今やSF小説は、ガチガチの科学的小説から、設定だけ現在・現実ではない世界(最近流行の異世界とか)を描く小説までかなり広範囲のジャンルを包含している。そして、今回の優秀受賞作「摂氏千度、五万気圧」は前者、特別賞「みずうみの満ちるまで」は後者に大別される。個人的にはファンタジー小説をできるだけ選ばない様に選定して読み始めるのだが、読んでからそれに気づく場合も多い。私は一旦作品を読み始めたら、腰を据えて読むようにしている。作者に対する尊敬の念を込めて最後まで読み通すのが私のポリシー。ただし、それは私にとって苦行そのものである。そのため本作品を読み通すのにかなりの時間を割いた。内容が判らなくなったら数ページ前に遡って読み返すことの繰り返し。そして、なかなかページが進まない。最後まで辿り着いた際には、思わず自分を褒めた。それくらいファンタジー小説は苦手。 全体的な感想は、文調が平坦。これが読書速度が上がらない理由。設定もこれまで読んだことがあるものに近い。地球温暖化・戦争で壊れた世界、人間の意識がコンピュータに移行する社会、これらハードSFでは使い古された手法・設定。今回の優秀受賞作と設定が一部かぶっているが、それは不可抗力だろう。 例によって最後に審査員による書評が掲載されている。本作品は小川一水だけが高評価していた。これは前回の「コミケへの聖歌」に対して神林長平が強烈に推しまくった事件を彷彿とさせる。選考日の朝に大賞に推すことを決めただなんて・・・審査員としての資質が問われることを敢えて文章化していることに驚いた。菅浩江は今回審査員を予め降りるべきと考える。
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自然環境の崩壊が進む近未来。貧しいものは死に、富めるものがデジタル世界で生きながらえる、そんな中で、永遠の命を放棄した富めるものたち、生きながらえることになってしまった貧しきものたち、意図せず永遠の命を得てしまったものたち、彼らが巻き戻せない現世について考える物語りだったと思いま...
自然環境の崩壊が進む近未来。貧しいものは死に、富めるものがデジタル世界で生きながらえる、そんな中で、永遠の命を放棄した富めるものたち、生きながらえることになってしまった貧しきものたち、意図せず永遠の命を得てしまったものたち、彼らが巻き戻せない現世について考える物語りだったと思います。世界観が完成されていて秀逸と感じました。私個人としてはストーリーのピークが最終盤でなかったように感じてしまい星4つとしましたが、大変深く考察された内容に好印象でした。
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誰かの台詞でも「」を用いない文体で描かれる。それが私には、私の声も存在も認識されないような、遠くの場所で人々を見守らされているかのように感じる。それは、私に物語への干渉を許されず、突き放された気持ちにさせる。どんな小説だとしても、それが当たり前なのは重々承知であるが、どこか寂しい...
誰かの台詞でも「」を用いない文体で描かれる。それが私には、私の声も存在も認識されないような、遠くの場所で人々を見守らされているかのように感じる。それは、私に物語への干渉を許されず、突き放された気持ちにさせる。どんな小説だとしても、それが当たり前なのは重々承知であるが、どこか寂しい。何より、この世界は私達にとっても起こり得る未来で、この世界を自分たちと結び付けておかないと同じ事を起こしてしまうと思う。私も物語の一部にして欲しいのにそうさせてくれない。そんな俯瞰した目線で描かれる本作は、私たちの未来を予言したかのような雰囲気を醸し出している。 と、前半程度を読んだ自分は考えており、少し残念に思っていた。しかしそれは大きな勘違いであった。俯瞰した目線で物語を突きつけられているのではなく、語り手の、エルムの中で世界を共にしているのだった。彼女の中にいるから、外の台詞は台詞に感じ得ないし、彼女の中にいるから、彼女の感動が私に伝わるし、彼女の中にいるから、彼女の悲しみが私に伝わる。寓話のような情景がが目立つ終盤では、エルムに、私に湖の表面が近付いてくるといった表現を用いて、深い悲しみに溺れる様が描かれる。本作において、美しさの象徴としても描かれる湖が、私を悲しみで包み込む。これらの描写を味わい深いと称してしまうと、この世界で暮らす彼女達に対して、無礼であるかもしれない。だがそう感じてしまった。そう感じされられることによって、私とエルムの輪郭は更に近付いていき、彼女が見る世界と似た世界(より純度の高いそれ)を私は見ることになる。美しさの先に、はたまた裏に佇む悲しみに、私は身を預けることになった。 外の世界は混沌とし、嘗てあった自然は何一つ残されていない。そんな世界の片隅に佇む、美しい景色。丁寧に剪定された草花。大きな夕日によって橙の道を作り、煌々と照り輝く湖。そこは生とも死とも隣人で、どちらにもなり得る空間。読み始めて少しの頃、この物語は長篇ではなくて連作短編か中篇にした方が面白いのではないかとも思っていた。しかしながら本作は、長篇であるからこそ出る世界描写の魅力で包まれていると感じた。そこで暮らす人々の流れは大抵同じで、実行する人々はそんなこと思わないが、読者の私からすればどこかワンパターンのように感じてしまう部分もあった。しかし、さまざまな人を送り届けていった後に、またはその過程でこの世界の景色が少しずつ明かされていき、内から外に向かってじわじわと広がるような美しさが感じられた。初めからあったに違いないが、それを美しいと感じていたかは別問題。綺麗な世界が広がっていく様子を体験出来たことを非常に嬉しく思う。 ラストだって非常に好みだった。賛否両論ありそうだと思ったし、自身の考えをまとめた後に読んだ、選考委員さん達の講評でもそこが評価の分かれ目だったみたい。この余韻が物語の美しさを更に増幅させているのだと私は信じている。
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