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チンギス紀(十四) 萬里 集英社文庫
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チンギス紀(十四) 萬里 集英社文庫

北方謙三(著者)

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チンギス紀(十四) 萬里 集英社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2025/11/20
JAN 9784087448313

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商品レビュー

4.5

4件のお客様レビュー

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2026/04/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

チンギス紀14 萬里 を読んだ。 全体を通して、モンゴルとホラズム国の戦が描かれていた。これだけ戦の詳細が長く描かれるのは、かつてジャムカ、アインガ、タルグダイの三者連合と草原の覇を巡って戦った戦以来だと思う。非常に熱い。 また、チンギスにとって重要な人物との別れと、新時代の若者の出会いが交錯する1巻でもあった。 ・チンギスの弟カサルが病で死んだ。カサルは、ナイマン王国併合戦の総大将として敵の兵站切りを長い時間かけて実行し、ナイマンを滅ぼした時から、将軍としての存在感を増し始めていた。その後、主役級の活躍は少なかったものの、モンゴル東方司令軍総大将として、安定した軍の運営と統治を見せていた。モンゴルにとって重要人物であると同時に、チンギスにとっても、共に兄弟のベクテルを殺した「共犯者」だった。ジェルメに訓練で打ち倒されていたあの頃から、もうカサルが死んだと思うと、旅路もここまで来たかという感覚。 ・後でも触れるが、雷光隊のムカリもマルガーシとの一騎打ちで死んだ。チンギスにとってムカリは、数少ない本音でふざけ合える仲だったと思う。そんなムカリと、兄弟カサルをほぼ同時に失ったことで、カンとしてのチンギスの孤独は1層深まると思った。 ・タルグダイとラシャーンの元で証人として頭角を現しているトーリオが、長い航海の末チンギスの孫で現在兵站・交易を担当するヤルダムと出会った。かなり広がっていた南の世界とモンゴルが、ようやく繋がった。北方謙三の手腕に脱帽せざるを得ない。チンギスがタルグダイを倒したのは、9巻。そこから緻密にタルグダイのその後と後継のトーリオを描き続け、ここでブーメランのごとくモンゴルの元に帰ってきた。ここまで大きな構想を考えられることが、信じられない。驚嘆。 ・そして、マルガーシ!!ジャムカの息子である彼も、長い旅の末、ようやくモンゴル軍の前に姿を現した。チンギスはじめモンゴルの古い世代のものは、みんなマルガーシの黒貂の帽子を見て、ジャムカの影を感じ始めている。遊軍としてのマルガーシは非常に厄介な敵であり、モンゴル軍最強の遊軍だった雷光隊をほぼ壊滅させ、ムカリをその手でうち果たした。モンゴルのホラズム国併合の大きな壁であると同時に、チンギス個人としても大きな壁になるだろう。チンギスが、志を共にしていたはずのジャムカの存在を、マルガーシを通して改めて認識することで、見失いかけている戦の意義を再考するきっかけにもなると思う。今後に期待。 ・また、チンギスの息子たちが多様な視点から描かれるようになり始めており、世代交代の波を感じた。草原を統一した頃は、僕はチンギス最大の幸運は優秀な息子兄弟に恵まれたことだと考えていた。しかし今や兄弟は末弟のテムゲのみとなり、息子達はやや凡庸な将軍という立ち位置が明確になってきている。ホラズム国との戦の苦戦も相まって、久しぶりにチンギスが停滞している印象。しかも、かつて停滞していた頃(南からモンゴルに戻ったばかりの頃)は、草原の中では珍しく兵站や生産に目を向ける事で、今後大きく花開く余地があった。しかし今は、咲いた花が枯れかかってる印象。チンギスの代でどこまでモンゴルが大きくなるのか分からないが、ホラズム国との戦には何とか勝って欲しいなぁ。 ・また、トーリオの言葉の中で、「東にある巨大な島」が出てきた。台湾だと思ってたけど、もしかしたら日本なのかな?

Posted by ブクログ

2026/04/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ホラズム=シャー国という、個人的にあまり認識してなかった国との戦いが全体を覆う。なんか結構強いのでよし、ムカリが去ってしまうのは驚いた。基本的に苦戦の巻だが、これまで基本的には順風だっただけに新鮮だった。残り3冊であるが、北方さん、森羅記という元寇、北条時宗の時代のものを刊行しているので、なかなかここで打ち止めにしにくい。文庫刊行まで待つけど。

Posted by ブクログ

2026/01/06

 トクチャルは死んだ。一度、口に出して呟いた。  戦場で、死んだのだ。自分の長子ではあるが、ひとりの兵として死んだ。数えきれないほどの、兵の死のひとつである。  二刻ほど、ジョチはひとりでいた。  それから大きな部屋へ行き、将校を集めろと従者に命じた。(320p) 1巻まるまる...

 トクチャルは死んだ。一度、口に出して呟いた。  戦場で、死んだのだ。自分の長子ではあるが、ひとりの兵として死んだ。数えきれないほどの、兵の死のひとつである。  二刻ほど、ジョチはひとりでいた。  それから大きな部屋へ行き、将校を集めろと従者に命じた。(320p) 1巻まるまるホラズム国との戦いである。一進一退。驚くほど何も進まなかった。その間、後衛のチンギス弟カサルが病死し、チンギス息子ジョチの息子トクチャルが戦死し、無敵だった遊撃隊隊長ムカリが、ジャムカ息子マルガーシと一騎討ちして亡くなった。亡くなった漢たちは、それぞれに戦う意味、生きる意味、死ぬ意味を探していた。見つかったのかどうかはわからない。 ひとつ、話題は違うが、ここに出てくる漢たちの女性の扱いは酷いということを記しておく。チンギスは、戦場にて副官の提供する女を精神安定剤のように抱いているだけではなく、ホラズム国の精鋭を指揮している女隊長の存在を認めると「殺さずに捕えろ」「俺の前で両脚を拡げられるかどうか、見てみたいのだ」などと言う。チンギスだけでなく、ホラズムの軍師イナルチェクも常に軍営に女を呼んで精神安定剤として扱っている。当時の習俗を描いただけかもしれないが、どうも気にいらない。 カサル チンギス弟、次子也 昔兄と共に兄弟殺す 兄遁走し弟は郷に残 兄帰郷し弟は将軍へ 次子四子テムゲ呼び ボロクル死責め撲つ 泣き泣き弟責め撲つ 病を得て余命幾拍無 魂兄の許へ行き微笑 兄弟故郷遥萬里微笑

Posted by ブクログ

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