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税の日本史 祥伝社新書722
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 祥伝社 |
| 発売年月日 | 2025/11/04 |
| JAN | 9784396117221 |
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税の日本史
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税の日本史
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商品レビュー
4.3
6件のお客様レビュー
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大和時代からの日本の税の変遷を解説していく内容なのだが、小学校の日本史と最低限の経済学の知識がきちんと頭に入っている人間にとっては全く信じられないくらい面白い。大化の改新、大宝律令、墾田永年私財法、出挙、太閤検地などただ無味乾燥な文字列を覚えて100点を取っていた小中学校の日本史...
大和時代からの日本の税の変遷を解説していく内容なのだが、小学校の日本史と最低限の経済学の知識がきちんと頭に入っている人間にとっては全く信じられないくらい面白い。大化の改新、大宝律令、墾田永年私財法、出挙、太閤検地などただ無味乾燥な文字列を覚えて100点を取っていた小中学校の日本史の解像度が極端に上がり政治哲学や経済学とがっちりとリンクする。ストーリーとしての整合性が非常に高く日本史の教科書としての完成度がそもそも異常に高い。そしてこれを読むと小中学校の教科書って要点をきちんと包括していたんだなと改めて思う。同時に教師の無能が悔やまれる。 明治維新と比べて影が薄いがそれに匹敵する大改革である大化の改新。奈良時代から既にあった元祖MMTともいえる出挙(政府が農民に強制的に稲を貸し付けて利子とともに返させる)と貨幣鋳造(しかも偽金作ったやつは死刑)。「上に政策あれば下に対策あり」という中国の諺を思い出す税金逃れの手段の数々(人頭税中心の時代のため戸籍に老人と女ばかり登録する。調として質の悪い布などを物納するなど)。資本(コメ)を蓄財し勝手に自分で出挙(コメの貸付)を始める奴らなど、古代から既に超面白い。そして歴史の勉強ばかりかと思っていると突然、時代の進展に伴う産業構造の変化と税制の変遷に関する核心的な記述が来たりして非常に勉強になる。 農業などの一次産業が中心の時代には人ないしは土地に課税し主に物納させる直接税が主流であり、それでも民間の蓄財への要求は常にあり結局資本は集積しそれが商業や貿易への投資にまわり発展する。為政者はその変化をうまく捉え経済成長を税収として取り込む必要があるが、ここが上手い(もしくは財源不足からそうせざるを得なかった)改革派の為政者(室町幕府、荻原重秀、田沼意次)と、従来の税収に固執する(もしくは自身のポジションのために固執せざるを得ない)保守派の為政者(鎌倉幕府、新井白石、松平定信)が居る。教師というのがそもそも保守的な生き物だからか学校の授業では後者の方が何となく印象が良かったが、経済学を学んだ後では経済音痴にも程がある政策ばかりで全く呆れる。また室町幕府の分一銭の出現のように権力が移る前の哀れな泥舟補修の様子は涙を誘う。 コメなどを半ばみかじめ料として納めさせられていた前近代に対し、明治維新後は徐々に社会契約の概念と民主主義が浸透し、さらに産業構造の急速な変化も相まって税金の性格が大きく変わっていく。先行する欧米を手本にそれなりに形になる税制を作ったものの、度重なる戦争と不景気による財政悪化に対し、保守派の金持ち地主が牛耳る未熟な民主主義により時代の変化を捉えた的確な税制の変革を行うことができず、物言えぬ(選挙権を持たずロビイングもできないような)民衆など取れるところから取ることを繰り返した結果、現代アメリカ以上の格差の拡大と、累進性の低くかつ収入源によっても不公平さの大きい税制を産んでしまった。この不公平がようやく是正されたのが第二次世界大戦前の実質的な軍事政権による全体主義的政策というのは非常に悲しい。 戦後のアメリカ統治には賛否両論あるが、少なくとも税制の設計は素晴らしいとしか言いようがない。その後民間による蓄財への要求により富裕税(いわゆる資産課税)廃止や配当所得課税の再分離化(現代でも1億円から累進性が弱まるアレの主因)などある程度揺り戻されるものの、一旦は垂直にも水平にも(つまり十分な累進性と所得の種類によらない公平性を兼ね備えた)公平な税制が完成したことは世界に誇るべきである。 戦前の日本や現代アメリカのような超格差社会の荒み様を見ているとやはり大きすぎる格差は社会を不安定化させるという点で悪に他ならないと感じるものの、ある程度の資本集積によって産業が急速に発展した事もまた事実であり、どの程度の集積と再分配を良しとするかというのは今後も我々が悩み続けなければならないテーマであり、成熟した民主主義社会を生きる我々は政治(議会制民主主義)を通して成員全員で社会的合意を形成していかなければならない。
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朝廷・幕府・政府(および自治体)がどういう理由、方法で国民や団体からお金や労役を課してきたのかを、日本史に沿って変化を含めてコンパクトにまとめてある。 かなり柔らかい文章で解説されてあるが、それでも租税や歴史の用語に馴染みが無いと途中読むスピードが遅くなり難しく感じるかもしれ...
朝廷・幕府・政府(および自治体)がどういう理由、方法で国民や団体からお金や労役を課してきたのかを、日本史に沿って変化を含めてコンパクトにまとめてある。 かなり柔らかい文章で解説されてあるが、それでも租税や歴史の用語に馴染みが無いと途中読むスピードが遅くなり難しく感じるかもしれない。 私がお勧めしたいのは先に巻末の著者と磯田道史さんとの対談を読むことだ。特に磯田さんが指摘する納税のありかた(徴兵など「労働による税負担」の重さなど)などは本書でも織り込まれている。本書が少しでも難しいかな?と感じたら巻末を読むことがウォーミングアップになるのでは、と思う。 「高っい税金を払って使い道は国におまかせ、あとは知らん!」「年末調整で還付増えてラッキー!」などという浅はかさを自戒するよい機会になった。
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