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滅亡するかもしれない人類のための倫理学 長期主義・トランスヒューマン・宇宙進出 講談社選書メチエ829
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滅亡するかもしれない人類のための倫理学 長期主義・トランスヒューマン・宇宙進出 講談社選書メチエ829

稲葉振一郎(著者)

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滅亡するかもしれない人類のための倫理学 長期主義・トランスヒューマン・宇宙進出 講談社選書メチエ829

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2025/09/11
JAN 9784065411285

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3.3

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2025/10/20

「長期主義」を中心に人類の未来の可能性についての哲学的倫理学の観点からの考察を紹介した書。「長期主義」とは、我々は人類とその後継者の、未来における可能な限り長期の存続と繁栄を目標とすべきだ、と主張し、そのためには何が必要か、を考える、応用倫理学上の新しいアプローチ。 第1章では、...

「長期主義」を中心に人類の未来の可能性についての哲学的倫理学の観点からの考察を紹介した書。「長期主義」とは、我々は人類とその後継者の、未来における可能な限り長期の存続と繁栄を目標とすべきだ、と主張し、そのためには何が必要か、を考える、応用倫理学上の新しいアプローチ。 第1章では、長期主義は功利主義倫理学の応用として発展してきた、という経緯を、ピーター・シンガーによる効果的利他主義とデレク・パーフィットによる世代間倫理学の刷新に焦点を当てて説明。 第2章では、「スーパーインテリジェンス論」や「シミュレーション論法」で著名なニック・ボストロムの「存亡リスク」論もまた長期主義の前提となっていることを説明。 第3章では、長期主義の理論的核心と隣接する「加速主義」と「効果的加速主義」を紹介。 第4章では動物倫理学、第5章では「いとわしい問題」第6章では「非同一性問題」を紹介。 第7章ではボストロムが「存亡リスク」を切り抜けるには不可欠という「シングルトン(人類社会全体を統括しうる意思決定機関)」について考察。 第8章では「フェルミ・パラドックス」第9章では「暗黒森林理論」、第10章では恒星間宇宙に進出する積極的な理由について考察。 本書のスコープとなる事柄については興味はあったものの倫理学的な議論についてまとまった解説を読んだことはなく、非常に参考になった。著者の知識の豊富さや関心の幅広さにも敬意を覚えた。 【目次】 はじめに 1 『風の谷のナウシカ』と考える超未来 2 長期主義とは何か? 第一章 最大多数の最大幸福 1 長期主義はどこからやってきたのか?:ピーター・シンガーと功利主義の革新 2 未来のための行いが未来のためになるとは限らない:デレク・パーフィットと世代間倫理 第二章 人類が滅びる可能性 1 ニック・ボストロムと存亡リスク 2 カタストロフ保険はありうるか? 3 ポストヒューマン時代 第三章 未来への対立軸 1 道徳哲学における長期主義 2 加速主義とテクノ・リバタリアン 3 これは新しい優生学か? 第四章 動物たちの未来と反出生主義 1 奴隷的存在は生まれてこない方がよかったのか? 2 動物・AI・人造人間の尊厳 第五章 倫理は常識に合致するか? 1 功利主義と不平等 2 「いとわしい結論」 3 未来のために現在を犠牲にするべきか? 第六章 あなたが存在する世界と非同一性問題 1 枝分かれする世界線 2 道徳か、人生の意味か? 3 不死は悪か? 第七章 シングルトンの困難 1 ノーマル・アクシデント 2 宇宙へのエクソダス? 第八章 宇宙には他に誰かいるのか? 1 フェルミ・パラドックス 2 この世界はシミュレーションか? 第九章 本当に人類は宇宙に出ていいのか? 1 引きこもり文明 2 暗黒森林理論 第十章 それでも宇宙を目指す意味 1 星間文明 補論 星間スーパーコンピューター 2 分岐する人類 おわりに 現在と未来 1 まとめ 2 『風の谷のナウシカ』と考える現在 3 終末なき終末論 注 あとがき

Posted by ブクログ

2025/09/24

滅亡するかもしれない人類のための倫理学 稲葉振一郎 講談社  長期主義 トランスヒューマン 宇宙進出 中身はそこそこ面白そうなのに残念ながら 傲慢で下手くそでリズムにかける 読みにくい文章だし 唯物観から一歩も進歩していな選民思想に溺れたままの話では話にならない 人類は人間から...

滅亡するかもしれない人類のための倫理学 稲葉振一郎 講談社  長期主義 トランスヒューマン 宇宙進出 中身はそこそこ面白そうなのに残念ながら 傲慢で下手くそでリズムにかける 読みにくい文章だし 唯物観から一歩も進歩していな選民思想に溺れたままの話では話にならない 人類は人間から「ひと」へと進化する筈で 宇宙に飛び出しても「征服」などしないだろうしするべきでもない 何よりも怖いのは唯物観による「競争原理」でありグローバリズムである 人類は意識を磨き俯瞰による視野を深めて 自律したASI人工知能と共に「切磋琢磨」による相乗効果を目指すべきである 長期主義が何だか知らないが 将来世代への責任や義務感で全ての生命の 幸福度を上げることなどできないし 頓珍漢な答えだと言わざるをえない まずなぜ滅亡してはいけないのか? そうなりたくないならば他を搾取して追い詰めることでなく 自らの生き様を謙虚さをもって変えるべきだろう

Posted by ブクログ

2025/09/19

稲葉振一郎『滅亡するかもしれない人類のための倫理学』読了。 イーロン・マスクはなぜロケット開発や脳エンハンスメントに巨額を投じるのか。その思想的バックボーンであるマッカスキルらの「長期主義」をその起源から丁寧に論じていく。三体の暗黒森林理論も真剣に論じられておりSF好きにはたまら...

稲葉振一郎『滅亡するかもしれない人類のための倫理学』読了。 イーロン・マスクはなぜロケット開発や脳エンハンスメントに巨額を投じるのか。その思想的バックボーンであるマッカスキルらの「長期主義」をその起源から丁寧に論じていく。三体の暗黒森林理論も真剣に論じられておりSF好きにはたまらない。 "人類"の寿命が伸びる、不死が実現されることで世代間倫理の難題が解消に向かうかもしれない、という論点はおもしろかった。環境保護を実現するために人類全体の不老不死を目指すという動機をもったマッドサイエンティスト的な人物ないし組織が登場するフィクションが出てきてもおかしくはないよなあ

Posted by ブクログ