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伸子 ちくま文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
| 発売年月日 | 2025/08/08 |
| JAN | 9784480440495 |
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伸子
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著者、宮本百合子さんの実体験に基づく小説です。 作家を一生の仕事とする志をもった女性、伸子(19才)と研究者の男性、佃(35才)はニューヨークで恋におち、結婚します。 これで“めでたし、めでたし”ではなく、夫婦関係しっくりいかずの内容が、伸子の視点から綿綿とつづられます。多様...
著者、宮本百合子さんの実体験に基づく小説です。 作家を一生の仕事とする志をもった女性、伸子(19才)と研究者の男性、佃(35才)はニューヨークで恋におち、結婚します。 これで“めでたし、めでたし”ではなく、夫婦関係しっくりいかずの内容が、伸子の視点から綿綿とつづられます。多様な語彙と心理描写、情景描写のうまさにどっぷり浸りました。近代文学、すごいなあとあらためて感じました。 精神的自立をしての結婚というより、伸子自身が自分の人生をどう生きていくべきか、模索途上で実家と夫との間で揺れ動いていました。 時代設定が第一次大戦終結あたりです。当時の女性としては、結婚後も仕事を持ち続けていく選択、子どもは欲しくないとはっきり意思表示する等、進歩的というか周囲は度肝を抜かれてしまったのではないかと想像します。別居、そして離婚まで伸子からきりだすのですから、なおさらです。 佃は、はじめからどことなく影があり、はっきりしない人物で、伸子を束縛しているように描かれています。伸子の視点からなので、私も女性の立場から彼女に肩入れしたい気にもなるのですが、男性側から見れば、またもっと客観的に2人の人間を見つめれば、見方も変わると思います。 Z世代の方が、伸子、佃、それぞれの立場で“結婚”をテーマにパネルディスカッションでもしたら、どんな意見が出るかなぁ、Z世代の中でも20代後半ぐらいの方のお考えを知りたいなと思いました。恋愛は面倒だけど、結婚はしたいということを聞いたことがあるので。面倒なことにこそ、学びがあるんだけど、なんて思いつつ。 なるほど、的を得ていると思ったフレーズがありました。 「….結婚は結論じゃないもの、出された試験問題、それもなかなかてごわいの....」 「人間というものは一つ得るためには何か他の一つを犠牲にしなければならないものなのね」
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本作は著者宮本百合子の実体験を基にしたいわゆる私小説。男性との出会いから結婚そして離婚という話として単純であるが、解説にあるように、女性がこのような生活を送っていたのは当時として珍しく、衝撃的であったという。
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