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文豪、社長になる 文春文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2025/07/08 |
| JAN | 9784167923877 |

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商品レビュー
4.3
11件のお客様レビュー
菊池寛さん、功績デカすぎ!戦前戦中戦後の文壇の様子が面白く描かれていて作家同士の繋がりがとても興味深かった。作家って個人プレーな感じがするけど、みんないろいろ協力したり刺激しあったりして良い作品を生み出そうと頑張ってくれているんだなぁと。そしてそのおかげで私たち読書好きは日々の楽...
菊池寛さん、功績デカすぎ!戦前戦中戦後の文壇の様子が面白く描かれていて作家同士の繋がりがとても興味深かった。作家って個人プレーな感じがするけど、みんないろいろ協力したり刺激しあったりして良い作品を生み出そうと頑張ってくれているんだなぁと。そしてそのおかげで私たち読書好きは日々の楽しみを享受できるんだなぁと感謝。パワフルで働き者、面白いおじさん^ ^でもそれで少し命を縮めてしまったのかも…
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■内容 時は大正から昭和初期。主人公は作家 菊池寛。作家と名乗りはしても、まともな作品はなく、燻っていた時期。やがて「真珠夫人」が大ヒットし、一躍流行作家となる。 筆一本で世間を沸かせた寛は、ただ名声を得るだけでは満足せず、仲間と共に文学を広げたいという思いから私財を投じ、「文...
■内容 時は大正から昭和初期。主人公は作家 菊池寛。作家と名乗りはしても、まともな作品はなく、燻っていた時期。やがて「真珠夫人」が大ヒットし、一躍流行作家となる。 筆一本で世間を沸かせた寛は、ただ名声を得るだけでは満足せず、仲間と共に文学を広げたいという思いから私財を投じ、「文藝春秋」を創刊。とは言え、その道は決して平坦ではなく、社員の給与をはじめ執筆者の原稿料も全て自分の財布だから、帳簿を付ける発想もなく、やがて資金繰りに追われる始末。 それだけではない。時に信じた仲間から裏切られ、事業は暗礁に乗り上げる。それでも寛は、持ち前の行動力と人を惹きつける情の深さで、次々に打開策を見出していく。 この小説は菊池寛の成長物語を縦軸に、文学史に名を刻む若き群像たちの交流を横軸に構成されており、例えば、芥川龍之介―繊細で孤独な魂を抱えながらも、菊池寛の友情に支えられた天才作家。直木三十五―放埒で借金まみれ、見栄っ張りで破天荒。でも、寛にとって放っておけない畏友。濃淡はあれど友情の契りと確執、死別を経て、菊池寛は「文豪」から「社長」へと変貌していく。そして、後年、寛の敬愛と友情は、文学界を代表するふたつの賞〈芥川賞と直木賞〉として結実する…。 ■感想 本書を一言で表現するなら…「文学の夢と、現実の苦闘。その狭間を駆け抜けた菊池寛の半生」となる。 「講釈師見てきたような嘘を言い」って、形容したくなるほど、映像を眺めているような場面の切り替え巧みと描写力を装備したストーリーテリングで、ぐいぐいと読者を引っ張っていく。 本書は単なる文豪列伝でもないし、経営指南術を匂わすわけでもない。菊池寛というひとりの作家が、“仲間のための文学の場”を広げようと立ち上げた小さな試みが、やがて文藝春秋という巨大出版社へと成長を遂げていく。 僕が思うに…寛の出発点は「好き」だったからが起点となり、同人誌を作るような感覚で仲間を集めた。だが現実は容赦なかった。資金繰りの苦しさ、信頼していた人の裏切り、仲間との死別等の試練・壁が立ちはだかり、“好き”を嫌いに変えかねない状況に度々陥る。 それでも寛は逃げずに立ち向かい、次の一手を打ち続けた。その姿は作家出身とは思えず、粘り腰を発揮し、そこには紛れもなく経営者 菊池寛が浮かび上がる。 芥川龍之介と直木三十五。ふたりへの友情と確執の果てに、彼らの名を冠した芥川賞・直木賞が誕生するくだりは激しく胸を打った。 ■最後に 「好き」だけでは続かない。でも「好き」を出発点に現実と格闘することで、人は新しい地平に立てると思う。 菊池寛は「起業家マインドで事業を起こした」のではなく、文学仲間の場づくり=同人誌的発想で創刊。結果的に「文藝春秋」という巨大メディアが誕生した。 この“無自覚な起業”感が、現代にも通じる面白さがある。「好きな本を読んで暮らしたい」と切望した目黒考二氏が1976年に創刊した『本の雑誌』との類似性を感じる。いずれも「好きでやりはじめた小さな試み」が、結果として出版文化を支える大きな存在に育っていった。 この本を読んで、改めて「起業」とは机上のMBA理論ではなく、好きなことを武器に現実と格闘し続ける営みでもあるて痛感させられた。 青春小説、教養小説、ビジネス小説という多面性のある小説に心を揺さぶられ、文学史と企業史の交差点に立たされたような稀有な読書体験が堪能できた好著。
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日本の錚々たる文豪の名前が次々に連なる作品 日本の近代史と文豪菊池寛の人生を綴った一冊 作家仲間で雑誌を創刊し、発刊部数を伸ばし、組織を作り、と順風な中、日本が戦争の渦に飲まれていき、自分の思想とは真逆の文章を綴り、それでも自分のやり方は変えられないジレンマを感じた 途中、後述と...
日本の錚々たる文豪の名前が次々に連なる作品 日本の近代史と文豪菊池寛の人生を綴った一冊 作家仲間で雑誌を創刊し、発刊部数を伸ばし、組織を作り、と順風な中、日本が戦争の渦に飲まれていき、自分の思想とは真逆の文章を綴り、それでも自分のやり方は変えられないジレンマを感じた 途中、後述といって先に進める割には、その後の話しが前後するので時系列が時々混乱する そこそこ厚みのある文庫だがストーリーを推敲すればもっと読みやすくなるのにと思った
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