お伽噺「桃太郎」はなぜ生まれたのか

宮川禎一(著者)

• 販売会社／発売会社: 教育評論社
• 発売年月日: 2025/06/24
• JAN: 9784866241173

商品レビュー

2025/11/16

作者や出所不明なのに、おそらく日本で一番知られたお伽話を紐解く。
西遊記との類似点、流れてきた桃とその大きさ、お爺さんが行った山への芝刈りとは、桃太郎のいでたち、犬猿雉であること、日本一の旗、鬼の財宝とは、鬼ヶ島とは、浦島太郎との接点、どうやって語り継がれてきたのか、曲亭馬琴や福沢諭吉らの論争、などなど盛りだくさん。
浸透しすぎて疑問にも思わなかったが、改めてわからないことが多かった。
197冊目読了。

2025/09/29

本業はバリ研究者の先生が趣味で調べましたという本で、論文を扱う人特有の手付きはありながら語り口はラフで「これは自分の考えで」の念押しもすごいという面白い感じの本でした。中国やさらに西に偉人が川上から流れてくる話があるってのは初耳で面白かった。

2025/09/22

桃太郎について、ちょっと深掘りして知りたくなり手に取りました。

桃太郎は西遊記をモデルにしたお話だということで、色々と古今東西の書物を渉猟しながら、いろんなことを教えてくれる本です。

桃太郎一冊でここまで語るのか、と驚きます。

前にどこかで「桃太郎が日本一という旗を指しているが、あれはご当地土産のきび団子のキャッチコピーが桃太郎の旗指物に使われるようになったのだ」と聞いたことがありますが、そんなことも書いていたような、いなかったような。

犬・猿・雉が子分になるのは、裏鬼門にあたる干支の動物であるからだというのはなんとなく知っていたのですが、その辺りの考証は江戸時代の洒落本作家の山東京伝によるとのこと。

江戸時代の町人文化のレベルの高さも改めて感じました。