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わたしのいないテーブルで デフ・ヴォイス 創元推理文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
| 発売年月日 | 2025/05/21 |
| JAN | 9784488422257 |

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商品レビュー
4.7
7件のお客様レビュー
「デフ・ヴォイス」4冊目。コロナ禍の下での荒井と家族の物語。 今朝の朝日新聞「天声人語」に、1880年にミラノで行われた聴覚障害教育国際会議での決議(ろう者教育では口話法が手話より優先されるとされた)のことが載っている。 2010年のバンクーバーでの会議でその決議が完全撤回され...
「デフ・ヴォイス」4冊目。コロナ禍の下での荒井と家族の物語。 今朝の朝日新聞「天声人語」に、1880年にミラノで行われた聴覚障害教育国際会議での決議(ろう者教育では口話法が手話より優先されるとされた)のことが載っている。 2010年のバンクーバーでの会議でその決議が完全撤回されるまで日本も含めて多くの国々の教育現場で手話が禁止されてきたこと、50年ほど前から手話を独自の言語として認める動きが出始めたこと、今のニュージーランドでは手話が英語・マオリ語に次ぐ公用語になっていることなどが紹介されており、日本で初めてとなるデフリンピックの開幕を契機に、ろう者のコミュニケーションについても考えたいと結ばれている。 バンクーバでーの決議があり、手話は文化を担う一言語であると認められつつある一方、作中、みゆきの実母・園子が預けられた荒井家のろう児・瞳美に「声で話すこと」を教えるように、聴こえる側からすると自分と同じように口から言葉を発することを望む気持ちを消せないことも想像できる。 そうして母・みゆきを喜ばそうとする瞳美の姿や、それを嬉しく思いつつも、園子には二度とそのようなことを教えないでと言わなければならないみゆきの気持ちがなかなかに辛い。 そうした、自分以外の家族はみな聴者というろう者が起こした傷害事件のサポートを依頼された荒井の姿が描かれる本作。 被疑者のろう者が母親を刺した理由を明らかにしていく謎解きに、ディナーテーブル症候群(ろう者が、聴者の家族が多数を占める食卓で会話の輪から取り残され、疎外感や孤独を感じる状況)や口話法が手話よりも優れているというまだまだ消えない考え方を絡めて語られる話は、ミステリーとして楽しめるのはもとより、ろう者のコミュニケーションについてもとても深い学びにつながるものだった。 コロナ禍での手話通訳者のマスクの話題や手話に関する“美談”について、また、旧優生保護法の違憲性を争う裁判のことなども興味深く。 私たちの会社でも多くの障害者を雇用しているが多くは知的障害者・精神障害者で聴覚障害者はほとんどおらず、先日も就労を見据えての見学の依頼があったが、手話ができる人がいないため口話ができる人でないと難しいとお断りせざるを得なかった。 このシリーズを読み続けている者としては、申し訳なさとともに、この受入れ体制を恥じ入るばかり。
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※このレビューにはネタバレを含みます
自分の子どもが聴こえない子どもだった場合、先天性にしろ後天性にしろ、親は、せめてどちらかの親は手話を覚えるものだと思っていました。 覚えて、子どもとコミュニケーションをとるものだと思っていました。 それが、まさか結構な数の親が手話をさせないで口話をさせているなんて。 手話をする子どもと一緒に歩くのが恥ずかしいと、それを子どもに言う親がいるなんて。 これが小説の中の話でなく、現実の話だということに衝撃を受けました。 瞳の今後が気になります。 案じられてなりません。
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今回もじっくりのめり込んで読了。よく調べて描けてる 瞳美のブランコ乗り場で謝っているのにどうして怒っているの?家族には重い話は絶対しないとか、頑張れって郁美に伝える閃き、自分もだけど知らなすぎる。聞こえないのに口述を必死になって教えるとか、手話覚えてバカになったんだという郁美のオ...
今回もじっくりのめり込んで読了。よく調べて描けてる 瞳美のブランコ乗り場で謝っているのにどうして怒っているの?家族には重い話は絶対しないとか、頑張れって郁美に伝える閃き、自分もだけど知らなすぎる。聞こえないのに口述を必死になって教えるとか、手話覚えてバカになったんだという郁美のオー馬鹿母親、郁美の事件と同じ根本的な問題を語る財産放棄したトキ子もよかった。当事者じゃないけど家族が手話覚えろよと本気で思う。
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