オウマガの蠱惑

椎葉伊作(著者)

• 販売会社／発売会社: KADOKAWA
• 発売年月日: 2025/04/30
• JAN: 9784047383234

商品レビュー

2025/10/27

怪と幽で紹介されていたので。
因習の村、ジュブナイルテイスト、とくれば読みたくなって。長いけど。ぎり週末のうちに読めるはずだと！

期待半分だったけど面白かったです。
大冒険。
ささやかな優しさ。
怪異には怪異の道理があること。
なにより、怪異の位置付けが好み。

怪異とはこういうものだからこう立ちむかむべき、という。
もちろん、恐怖に打ち勝つには怒りが1番、とは聞いたことあるし、人間が信じなければ不思議は消えてしまう、も今や常識になりつつあるし。
そういう現代の感覚を分かった上でいい設定。

因習自体は、やっぱりねー、というのがあったけれど、これも定石を踏んだためかな。
でもね、もう少し時代を遡ればもう少し豊かな発想もあったかと思うの。だから絡新婦の理みたいな話をね、みんなもっとしてほしい。

河童封じの話でもいい。もう少し怪異の豊かな不思議さを見たい。人と人との葛藤から生まれる憎しみにだけ焦点を当てるなんて江戸時代の怪談みたいだ。それは町人の物語であって、農村に持ち込む前に疑ってほしい。
なんて、自分で物語を書かないくせに偉そうなことは言えない。

最近たまーにホラーを読むから気づいたけど、現代長編ホラーってミステリ要素が不可欠だから仕方ないのかもだけど、私は完全オリジナルのお化けにちょい抵抗がある。
だって不条理を説明する物語が怪異だから、怪異が不条理だと矛盾するでしょう？

この怪異はこんな歴史と性質があるから、こうやると祓える、であってほしいんだけどなあ。
だから未知のお化けに対して霊能力者が立ち向かうとき、ええええ、リスク取りすぎじゃない？って思う。

でも舞城のお化けは許せるんだよなあ。
どんな怪異も愛の前では無力であってほしい。だから祈る。と言い切ってしまうから。
説得力を出すために怪異をより恐ろしく、不条理にする。だからすんなり受け入れられる。

怪と幽にさらっと、明治時代の廃仏毀釈が盛んだったため、寺のない村、という記載があって、え、怖っ。想像しただけで怖い。なに言ってるの？と思ったのですが、神社仏閣両方あってこそ安心できるという感覚もこの小説にちゃんと反映されてました。
だって神様は祟るけれど仏様は全て許してくれるもの。というのも怪と幽にあった。

これ1ってことは続きもあるのかな？
シリーズものならばぜひ続きも読みたい。
投稿サイトの小説なのかな？
文章が上手で一気読みでした。

2025/10/04

最初の導入は良かったけど、思ってた感じと違う展開になった。いくつか、他のホラー作品をおもいださせるようなシーンや言い方を良くしているけど、うーんっていうのもあった。
でも、集落によくある話で頭には入ってきやすかった。

2025/09/10

ホラーやミステリは好きだが、これはびっくりするぐらいおもしろくなかった。文体かな？こんなに分厚い本にする内容かな？擬音みたいな表現も多いし自分には合わなかったのかもです。