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さあ目をとじて、かわいい子
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 偕成社 |
| 発売年月日 | 2025/04/25 |
| JAN | 9784037280505 |

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11歳のオリヴィアは、母親から虐待を受けて里親家庭を転々としている。16番目の里親家庭であるアイヴィー家に来たオリヴィアは、誰も居ない庭で誰かに見られているような奇妙な感覚を覚える。この家には昔、生まれたばかりの赤ん坊を400人も殺したアメリア・ダイアーという女性が住んでいたらし...
11歳のオリヴィアは、母親から虐待を受けて里親家庭を転々としている。16番目の里親家庭であるアイヴィー家に来たオリヴィアは、誰も居ない庭で誰かに見られているような奇妙な感覚を覚える。この家には昔、生まれたばかりの赤ん坊を400人も殺したアメリア・ダイアーという女性が住んでいたらしい。家の中で聞こえる謎の物音、赤ん坊の泣き声、におい……オリヴィアはアメリアの幽霊が家に取り憑いていると訴えるが、誰も信じてくれない。虐待を受けた里子の傷付いた心と試し行動をホラーと結び付けながらつづるミステリー。 誰かに愛されたい。だれも愛したくない。別れるときがつらいから。殴られるのを待つのがつらいから、さっさと殴られてしまいたい。そんなヒリヒリするような心情を抱えて日々必死に自分を守ろうとするオリヴィアの行動が切ない。相手を試して、試して、試し尽くしてからでないと怖くて信用できないのは、それだけ酷い体験をしてきたからだ。どうにかして救ってあげたい思う大人の気持ちも届かなくなってしまっているオリヴィアがこれからどうなっていくのか気になって、最後は「えっ、ここで終わり?」と思ったけれど、そう簡単に幸せになれる状況ではないし、これが現実的なのだと思う。 現実にも社会的養護を必要としている子どもは日本だけで何万人も居て、きっとオリヴィアのような精神状態の子どももいるのだろうと思うと胸が痛い。
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虐待を受けて心が壊れてしまった主人公。 それゆえの激しい行動。 ひどいことをされても、子どもは母親を嫌いになれない。離れれば会いたいと思う。 読んでいて苦しかった。石を飲み込んだかのような感覚。
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オリヴィアは、5歳のときに4歳の妹と赤ちゃんの弟と共に保護された。 母親からの虐待や育児放棄を経験して、里親家庭で生活をするのだが、日本とは違って施設で暮らすのではなく、イギリスでは一時保護里親から養育里親というかたちで生活するか、養子縁組という制度かになる。 赤ちゃんである弟は...
オリヴィアは、5歳のときに4歳の妹と赤ちゃんの弟と共に保護された。 母親からの虐待や育児放棄を経験して、里親家庭で生活をするのだが、日本とは違って施設で暮らすのではなく、イギリスでは一時保護里親から養育里親というかたちで生活するか、養子縁組という制度かになる。 赤ちゃんである弟は、すぐにべつに暮らし妹とは最初は同じ里親だったが、オリヴィアだけは上手くいかずに何度も違う里親で生活することになる。 11歳になった年、十六番目の家から話は始まるのだが、オリヴィアはまるで悪魔のようである。 単なる反抗とは違う、本人自身もヴィクトリア時代の殺人鬼・アメリアに取り憑かれていると言うほど。 そんなふうになったのは、幼い頃の怖い体験がフラッシュバックして、自分を守ろうとしているのではないかと思う。 暗いのが嫌だとか、眠れないとか、いろんなことが重なりどうにもならなくなり解離してしまうのでは…と。 この子は無理だと突き放すのではなく、もっと寄り添えればとは誰もが思うのだろうが、なかなか難しく感じた。 最後には手紙を書くまでになったことが救いだろうか。 読んでいても苦しくて疲弊する。
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