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鵜飼の日本史 野生と権力、表象をめぐる1500年
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 昭和堂 |
| 発売年月日 | 2025/04/10 |
| JAN | 9784812224052 |
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鵜飼の日本史
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先日読んだ『対訳でたのしむ 鵜飼』の派生読書。 鵜飼というのは何だか不思議な漁法である。 鳥の鵜に魚を捕らせるが、鵜の首に紐が巻かれており、ある程度以上に大きい魚を飲み込むことができないようになっている。大きい獲物は人間がいただく、というわけだ。 いわば、鵜が取った魚を横取りす...
先日読んだ『対訳でたのしむ 鵜飼』の派生読書。 鵜飼というのは何だか不思議な漁法である。 鳥の鵜に魚を捕らせるが、鵜の首に紐が巻かれており、ある程度以上に大きい魚を飲み込むことができないようになっている。大きい獲物は人間がいただく、というわけだ。 いわば、鵜が取った魚を横取りするような方法だが、鵜がいて、鮎やフナといった鵜が好む魚がいて、また、鵜の使い手である鵜匠がいて、といった、いくつかの条件があってようやく成立するような話である。最初に思いついた人はすごいなという気もするが、誰かがぽっと思いついたというより、試行錯誤の末、徐々に成立したのかもしれない。 その鵜飼の「日本史」を追う、なかなかディープな1冊。 「鵜飼学」的なものが元々あったわけではなく、比較的雑多な内容となっている。 生物としてのウの生態や行動。 捕獲技術。鵜飼の用具。鵜舟や鵜匠装束。 獲物側のアユの生態。なれずしである鮎鮨。 鵜飼を題材とする絵画や俳句。 古墳時代から中世、近代、現代の鵜飼の在り方。 さまざまな側面から、鵜飼にスポットライトを当てていく。 鵜飼についての本を作ろうと考えた編者が、関連研究をしている研究者に片っ端から声を掛けたという。執筆にあたった研究者の専門分野も多様であり、鳥類生態学、民俗学、文化史、自然史、美術史、調理学、観光学と、ある種、学際的である。 ほとんどの執筆者が本書のために新たに原稿を書いているというのも特筆すべきところ。 鵜飼の歴史は古く、鵜を象った埴輪があることから推測されるように、古墳時代には行われていたとみられる。 日本では鵜を継続的に飼育せず、毎年野生のもの(主にウミウ)を捕獲して使用してきた。鵜の捕獲地と漁場は通常離れており、捉えた鵜を運ぶ必要がある。 平安時代には、鵜飼で得た鮎などを朝廷に献上する漁場があり、こうした漁場では朝廷から鵜の支給を受けていた。捕獲地から年貢として鵜が朝廷に献上され、その鵜が漁場に支給され、鵜飼で得た魚がまた朝廷に年貢として提供されるという流れである。 鵜飼は権力の庇護を受ける産業であり、そのために歴史がつながれてきた側面もあるのかもしれない。 鵜飼が行われているのは世界でもそう多くはなく、中国と日本である。 おもしろいことに、中国では日本の鵜飼と異なる点がいくつもある。 中国の場合、人工繁殖させたカワウを使用する。また鵜を縄でつなぐことはせず、川だけでなく、広い湖沼でも行われる。権力者に庇護されることはなく、もっぱら民間の漁業として行われた。 このような違いが生じた理由は、日本では定期的にウミウが飛来し、馴らすことも簡単であったこと、流れの急な川での漁が多かったため、鵜を逃がさぬようにつなぐようになったこと等、それぞれの事情が関係する。 現在では、主に観光資源としての意味合いが大きい鵜飼だが、実は鵜を使った漁はかなり効率がよいのだそうである。 鵜は鮎のような流線型の魚を捕るのに長けている。放っておくとどんどん捕ってしまうので、魚が取り尽されてしまわないように、制限を掛けられたこともあるそうだ。 鵜としたら、人間に取り上げられてばかりで、やってられないよと思いそうなところだが、小さい獲物は食べることができたり、また人からも餌をもらったりで、折り合いをつけているのかもしれない。 その他、なれずしである鮎鮨の話、鵜匠の装束の独自性、図らずも人工繁殖に成功した宇治川の鵜匠の話なども興味深い。 夜の篝火の下で行われる鵜飼、一度は見てみたいなぁと思う。
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