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日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす 河出文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
| 発売年月日 | 2025/04/08 |
| JAN | 9784309421742 |

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日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす
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商品レビュー
3.3
4件のお客様レビュー
「異常外力着力点」=「ミサイルなどの着弾」は,青山氏の誤読です。 事故調別冊 (航空事故調査報告書付録JA8119に関する試験研究) は,国交省Webで閲覧できます。そのp116に確かに異常外力着力点を示す図が出てきます。しかし,これは1.2節運動の数値解析で,計算上設定した「...
「異常外力着力点」=「ミサイルなどの着弾」は,青山氏の誤読です。 事故調別冊 (航空事故調査報告書付録JA8119に関する試験研究) は,国交省Webで閲覧できます。そのp116に確かに異常外力着力点を示す図が出てきます。しかし,これは1.2節運動の数値解析で,計算上設定した「力の作用点」です。この節では,空気の噴流などの外力を,フライトレコーダに記録された加速度から推定する計算をしています。その結果,尾翼が分離する瞬間に,前向き11tの外力が働いたこと,その外力を5800平方インチの胴体断面に働く圧力4.2psiの空気圧で説明しています(p95 1.1.1節)。 青山氏は「異常外力着力点」の字面にひかれて「ミサイルなどの着弾」と,誤解してしまいました。事故調別冊の主張は「計算上仮定した作用点に,圧力隔壁が壊れた瞬間,空気噴流の力が働いた」という話です。これを,ミサイルなどが外からぶつかった証拠,と読むことは無理があります。 青山著「JAL裁判」のp247に,若いパイロット達の勉強会から批判されたと書いています。「異常外力の着力点は表現であり,外部からモノが当たった可能性のみを言っているわけでなく,急減圧によって垂直尾翼外板剥離や空気噴出といったものを含めての表現である」 青山氏は「事故調別冊を読み込めばわかる」と反論しています。でも,力学の知識や技術文書の読み方は,CAだった青山氏より,パイロットの方が優れていそうです。 さらに青山氏は「2013年にWeb公開されるまで,別冊は意図的に隠蔽されてきた」と主張します。これは事実に反します。事故調の報告書が1987年に紙ベースで公開された当時から,別冊は存在します。このことはいくつかの図書館で検索すれば確認できます。また,青山著「隠された遺体」のp256でも,昭和63年の裁判の資料として別冊があったことを,三宅弁護士が確認しています。 青山氏の資料の読み方があまりに荒っぽく,強引に自説に合わせて捩じ曲げていくので「青山氏の結論をそのまま信じてはならない」と思いました。
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以前青山透子の著作に初めて触れたとき、日航123便墜落事故をめぐる数々の目撃証言や矛盾点に色めき立ち、こんなにも公式発表と違う世界があるのかとワクワクした記憶がある。ファントム2機の追尾、オレンジ色の物体、ガソリンとタールの臭い、炭化した遺体 - どれも謎解き的な構造を持ち、彼女...
以前青山透子の著作に初めて触れたとき、日航123便墜落事故をめぐる数々の目撃証言や矛盾点に色めき立ち、こんなにも公式発表と違う世界があるのかとワクワクした記憶がある。ファントム2機の追尾、オレンジ色の物体、ガソリンとタールの臭い、炭化した遺体 - どれも謎解き的な構造を持ち、彼女の筆致も相まって一気に引き込まれた。 今回本書を読んで改めて思ったのは、やはり慎重な検証が不可欠だということ。CVRの非公開や相模湾での捜索消極など、政府側の対応にツッコミどころが残るのは確かだし、情報公開のあり方や初動対応の課題を指摘する意義は大きいと思う。ただ、青山氏の主張は目撃証言や推論に依る部分が多く、圧力隔壁破断説を覆すだけの決定的な物証は提示されていない。異常外力の着力点という言葉に強く引っ張られているが、飛行機の通常動力以外の力という広い意味で使われている可能性を考えると、必ずしも外部衝突を示しているわけではない。同様に、外務省文書に「事件」と記されていたことに過剰にこだわる論調にも、言葉のイメージに引っ張られすぎている印象を受けた。 結局のところ、「物証がないのは政府が隠したからだ」「公開されていないのは都合が悪いからだ」という論法を採る限り、いくら反証しても「それも隠された」と言えてしまう。この構造は反証不可能であり、科学的議論とは言えない。最初に感じたワクワクは、反政府バイアスと権威バイアスの二重のバイアスに自分自身も乗せられていたのかもしれないと、冷静に振り返ると思える。 総合的に見れば青山透子氏の問題提起は事故の記憶を風化させず、検証を続けるために意味があるとは思うが、合理性の観点では国交省の公式説明(圧力隔壁破断説)の方が現時点では優れているというのが自分の結論かな。新たな確たる物証が提示されない限り、この立場を変える理由は見当たらないと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
もともと、公式に発表されている圧力隔壁の破損による墜落説にはどこか腑に落ちない部分を感じていた。自衛隊の関与を疑う声があることも耳にしてはいたが、正直なところ、それらは陰謀論の域を出ないと考えていた。 しかし、本書はその先入観を根底から揺さぶった。圧力隔壁説が、真の原因を覆い隠すために作られた「方便」であるという主張が、丁寧かつ論理的に展開され、信頼できる資料や証言をもとに検証されている。その過程を追っていくうちに、これまで「常識」だと思っていたものが、いかに脆く、作為的なものであったかに気付かされ、読後には圧力隔壁説が誤っていたという考えを受け入れざるを得なくなった。 一方で、本書が示す“自衛隊のミサイルによる撃墜”という説については、確かに状況証拠が多く揃っているものの、決定的とはまだ言い難いとも感じた。なにより、政府が詳細な情報を長年にわたり非公開としている以上、真相への道のりは極めて険しい。 それでも、遺族の方々の心情を思うとき、一刻も早く政府が真実を明らかにする責任があることは疑いようがない。これは単なる過去の事故ではなく、今もなお終わっていない問題なのだと痛感させられる一冊だった。
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