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孤独の科学 新装版 なぜ寂しくなるのか なぜつながりを求めるのか 河出文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
| 発売年月日 | 2025/04/08 |
| JAN | 9784309468129 |
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孤独の科学 新装版
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孤独感のみならず、脳科学本としても立派な1冊である。いや、というより、孤独感を語る上で脳科学や生理現象への言及は避けては通れないのであろう。 人間の脳は、3つの層に分けられる。 1つ目の層は、最初に爬虫類に現れたことから"爬虫類脳(脳幹)"と呼ばれる。これは心拍、呼吸、消化など、生物の生存に欠かせない機能を司っており、人間の脳幹でさえ爬虫類にとって重要と思われるメッセージしか扱わない。 その外側にある層は、人間が誕生するより遥か昔に進化した"旧哺乳類脳(大脳辺縁系)"である。これは情動を司り、行動の柔軟性や文脈に基づく制御の能力を増すことで個体の適応性を高めた。 更にその外側にある層は、"新哺乳類脳(皮質)"であり、これにより数や言語を操作できるようになった。人間の脳は、①爬虫類にまで遡る動物的な脳幹、②情動を司る辺縁系、③理性的な皮質の三位一体であり、これによって、実際に思っていることと取る行動とが異なったり(ツンデレ)、欲求と制御の葛藤が生じたりする(食べたいけど、太るから我慢する)のである。 孤独感の経験は、空腹感の経験の同じ次元の現象であり、孤独感が進化したからこそ人類はここまで生きながらえてきたのである。 サバンナの時代には、1人でいることは一寸先の生死を分かつ問題であり、神経系も闘争的反応を示すことが個体の生存確率を高めた。しかし問題は、その神経系の闘争的反応が、現代の慢性的なストレス(孤立)に対して同様になされているということだ。これが孤立を不健康・不適応との関連を説明する要因の1つである。 宗教などの信念体系は、少なくともそれを信じる人たちにおいては明確な生理的効果を与えることも否定できない。 類人猿の精巣の大きさは競争相手のオス(つまりライバル)の数に比例する。ラットは、人間の嗅覚の閾値よりも低い濃度で空中を漂うフェロモンにより生殖周期が一致していく(人間においても、寮で一緒に暮らす仲間たちの月経周期がどんどん一致していくという研究結果がある)。同調した生殖周期における適切な時期に生まれたラットの生存率は80〜90%であり、外れたラットの生存率は30%であった。 これらのことから、社会的な面(つながり)と生理的な面(生理現象や身体的反応)は、長方形の縦と横のように、切っても切り離せない関係にあると言える。孤独感がもたらす痛みや、他者とのつながりから得られる高揚感は、ともに極めて生理的なものである。
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