名探偵たちがさよならを告げても

藤つかさ(著者)

• 販売会社／発売会社: KADOKAWA
• 発売年月日: 2025/04/02
• JAN: 9784041159545

商品レビュー

2025/07/31

教師であり作家の久宝寺が亡くなる。彼の後任として母校に赴任した辻玲人は図書委員たちの協力で彼の遺稿を入手。それは学校での殺人を描くミステリーのプロットで、解決篇がなかった。その後、生徒の一人が学校内でなくなっているのが見つかる。玲人は過去の事件と重ねて第一発見者の生徒を思いやるが、彼女は「探偵になりたい」から捜査すると、玲人に協力を依頼する。

ひと言で言うと、痛い。
そもそも久宝寺のやり方が迂遠。本気で事件を止める気があったのか。「大人」のはずの教師たちが精神的には「子ども」のまま成長を止めていて、なんとも歯がゆい。言葉の力がテーマのようだが。

2025/07/30

女子高生探偵モノでありながらも漂う寂寥感が独特。
本タイトルの意味が少しづつ明かされる終盤の怒涛はお見事。
ミステリにおける作者と読者の距離感とかメタ的な表現とかにドキリ。
ビターなのかベターなのか心が締め付けられる余韻が残る。

2025/07/16

なぜ藤野が探偵にこだわるのかと、ちょっと身勝手というか理解できずにいたし、第二の事件が起きた際の九曜の気持ちが理解できたので、普通はそうだよね？？と思っていたら、ラストにそーきたかという展開だった。
辻先生や九曜が思っていた生徒ではない藤野の顔が出てきて驚いた。
辻先生の過去の件や、今回の事件、ラストと考えるとよく出来てるなぁと思う。