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ボニーとクライドにはなれないけれど 創元推理文庫

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2025/03/19 |
JAN | 9784488223083 |


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ボニーとクライドにはなれないけれど
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商品レビュー
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セブンイレブンの店番をしていたルイーズは、強盗に入ってきた男の「素敵な声」と「緑の瞳」に惹かれて、気づけばレジの現金を渡しながら自分の電話番号を伝えていた。そしてあろうことか、数日後、その男から電話がかかってきたのだ。「やあ、こないだの夜、きみが勤めている店に強盗に入った者だけ...
セブンイレブンの店番をしていたルイーズは、強盗に入ってきた男の「素敵な声」と「緑の瞳」に惹かれて、気づけばレジの現金を渡しながら自分の電話番号を伝えていた。そしてあろうことか、数日後、その男から電話がかかってきたのだ。「やあ、こないだの夜、きみが勤めている店に強盗に入った者だけど、えっと、あのときの会話が頭から離れなくてさ、いま、話せる?」 恋に落ちる理由は、打算でも分析でもなく、ただ「この人だ」と思ったから。ルイーズの行動はときに無鉄砲に見えるが、その勇気の裏には、本質をとらえる直感力、逃げ出してきた故郷のママの教え、そして最強の愛嬌がある。見たもの感じたことすべてを「生きる知恵」に変えていけるのがルイーズという人。 対するデルは、寡黙でぶっきらぼう。紛れもなく犯罪者であるが、強盗の理由は「コミュニティ・カレッジの授業料を払うため」で、三音節以上の言葉を愛するというインテリ志向な一面を持つ。理知的に考えようとするけれど、綿密な(はずの)計画がうまくいかずにルイーズの咄嗟のひらめきに助けられることもしばしば。そんな彼も、ルイーズにとっては揺るがない「安心」の存在になっていく。 出会いの時点ではお互いのことを何も知らなかった二人が、疑ったり迷ったり、絶望しかかったりしながらも、少しずつ確かに愛を深めていく物語に心をつかまれた。 一人称「あたし」で綴られるルイーズの語りは、まるで海外ドラマの主人公みたいにチャーミング。脇役のちょっとした台詞に笑える一方、シリアスな展開では胸の塞がる思いもした。読み終わった今は、二人の道のりすべてが愛おしい。めそめそジメジメした逃避行でもなく、自暴自棄で退廃的なギャング生活でもなく、二人で一歩ずつ選んで決めながら進んできた人生の物語だったと思う。 こんなふうに「人生、どうにかなる」って思わせてくれる二人が好きだ。いや、ほんとは全然どうにもなってないのかもしれないけど、それでも「一緒なら」って思わせてくれる。
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一応、逃避行?なんだろうけど、強盗から足を洗った2人が夫婦として落ち着く場所を探して走り行く様は、読んでいて胸がすく思いがする。理屈と言葉を捏ね回す現実派のデルと、楽天的で度胸のあるルイーズ。ワイン・テイスティングのセンスは圧倒的にルイーズの方が勝るというね。 デルのトンチキテ...
一応、逃避行?なんだろうけど、強盗から足を洗った2人が夫婦として落ち着く場所を探して走り行く様は、読んでいて胸がすく思いがする。理屈と言葉を捏ね回す現実派のデルと、楽天的で度胸のあるルイーズ。ワイン・テイスティングのセンスは圧倒的にルイーズの方が勝るというね。 デルのトンチキテイスティング・コメント、悪人になりきれない強盗事件、流産の悲しみと一時の育児体験。姑と夫のあからさまな、でもユーモアいっぱいの対立。行く先々で起きる事件についても、やや冗長なきらいがあるが面白かった。物語の締めくくり、ウェディングドレスの一件はあまりに犯人探しを引き延ばしすぎてダレ気味かも。全てが解決した後のラスト・シーンはあまりに爽快。映像化してほしいな。
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