失敗しないDX KOBUYが実現する真の仕事革命

阿保晴彦(著者), 橋爪康太郎(著者)

• 販売会社／発売会社: 時事通信ブランドスタジオ/時事通信社
• 発売年月日: 2025/03/11
• JAN: 9784788720138

商品レビュー

2025/04/22

主題と問題意識: 本書は、多くの企業でデジタルトランスフォーメーション（DX）が思うように進まず、効果を実感できていない現状に対し、その失敗要因を分析。間接材購買の合理化プラットフォーム「KOBuY（コーバイ）」がいかにしてDXを成功に導き、労働生産性向上や顧客価値創造といった「真の仕事革命」を実現するのかを、具体的な手法や事例を交えて解説する。
DX失敗の原因: DXが失敗する主な理由は、ツール導入自体が目的化し、経営課題の解決や業務プロセスの本質的な改善に繋がっていない点にある。部分最適に陥り、部門間の連携不足やサプライヤー側のデジタル化への配慮が欠けているケースも多い。「なぜその業務が必要か」という問いが不足し、非効率なプロセスが温存されがちである。
KOBuYによる解決策: KOBuYは、企業の間接材購買業務に特化したDXプラットフォーム。導入企業の業務プロセス全体を「KOBuY Journey」という手法で可視化・分析し、非効率な部分を特定、全体最適化された購買フローを設計・導入する。
KOBuYの仕組みと特徴: バイヤー（買い手）とサプライヤー（売り手）をつなぐ「マルチサイドプラットフォーム」として機能。発注から納品、請求、支払いまでのデータを一元管理し、再入力の手間を排除。バイヤー・サプライヤー双方の業務効率を向上させる。導入にあたっては、「合理化の鬼」と呼ばれる導入担当者が企業と伴走し、継続的な改善を支援する。
労働生産性向上への貢献: 人口減少が進む日本において、労働生産性の向上は喫緊の経営課題。KOBuYは、間接材購買に関わる無駄な作業時間（購買損失）を削減し、従業員が本来注力すべきコア業務や創造的な業務に集中できる環境を創出することで、構造的な生産性向上を実現する。
多様な導入事例: 建設業（西松建設）、大学（近畿大学、大阪工業大学）、製造業（ツクシ工房、共立電子産業）、中小サプライヤー（ショップにしもと、木村文具）など、業種や規模を問わず導入が進み、業務時間短縮、ペーパーレス化、コスト削減、研究効率向上、取引拡大といった具体的な成果を上げている。
「調達力」強化と中小企業への価値: KOBuYは単なる効率化だけでなく、有事の際にも必要な間接材を安定的に確保できる「調達力」の強化にも貢献。リソースが限られる中小企業にとっては、煩雑な業務を自動化・効率化できる価値が大きい。
KOBuYの未来: 蓄積された購買データをAIで分析し、需要予測、在庫管理最適化、さらなる自動化を目指す。プラットフォーム上で企業間の連携を促進し、「ヒト」の流通も含めた「KOBuY経済圏」を形成し、最終的には「間接材購買業務を0にする」ことを目標に掲げる。