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誰でもない 河出文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
| 発売年月日 | 2025/03/06 |
| JAN | 9784309468112 |
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誰でもない
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商品レビュー
4.1
11件のお客様レビュー
”誰も行ったことがない”が、おすすめ。とある夫婦が、欧州旅行へ出かける。その途中、親族からIMF危機発生の一報も入り、行ったことがない土地で、だんだんと不穏な空気が漂ってくる。その空気に合わせ、次第に明かされる夫婦の過去。 乗り越えようとしても乗り越えられない息苦しさが、作品全...
”誰も行ったことがない”が、おすすめ。とある夫婦が、欧州旅行へ出かける。その途中、親族からIMF危機発生の一報も入り、行ったことがない土地で、だんだんと不穏な空気が漂ってくる。その空気に合わせ、次第に明かされる夫婦の過去。 乗り越えようとしても乗り越えられない息苦しさが、作品全体を包んでいる。
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短編集の題名「誰でもない」という短編は収録されていません。冒頭に「誰でもない、をなんでもない、と読み違える」と書かれています。「誰でもないから、みんなのことでもある」って意味合いでしょうか。 『上京』 語り手の女性は、恋人のオジェとその母といっしょに田舎の唐辛子畑に行った。値上...
短編集の題名「誰でもない」という短編は収録されていません。冒頭に「誰でもない、をなんでもない、と読み違える」と書かれています。「誰でもないから、みんなのことでもある」って意味合いでしょうか。 『上京』 語り手の女性は、恋人のオジェとその母といっしょに田舎の唐辛子畑に行った。値上がりする都会の生活費、何でも安いけれど人がいない田舎。韓国経済の悪循環。 オジェはソウル暮らしに疲れ、田舎に移住しようかと考えていたが、田舎でしっかり根を下ろすほどの確固たる決意もない。 『ヤンの未来』 語り手の女性は、就職難から契約職員として何度か転職し、その時はビルの地下の書店で働いていた。ある時店に来た女子高生と男たちが一緒にいる姿に嫌な感じを受けるが、何の対策もしなかった。そのままその女子高生は失踪した。 語り手は「行方不明者最後の目撃者で、何もしなかった人」として人目に晒されるようになり、女子高生の母親は一日中書店の前の階段で娘の写真を広げるホームレスのようになる。 語り手はそこから去った。 この話は誰にもしたことがない。 『上流には猛禽類』 語り手の女性が、ずいぶん前に別れた恋人チェヒとのことを思い出している。 チェヒの両親は北朝鮮からの避難民だったようだ。友人に騙されて巨額の借金を背負い、それでも逃げず、だがずっと貧乏ぐらし。子供たちは早く働き、チェヒの父はがんを患う。 そんな家庭だが、語り手は自分もこの家族の一員になるのだろうと思っていた。貧しく進学もできないが支え合っている家族。 だがチェヒの母は父への不満と怒りをずっと持ち続けていた。それが森林公園でのハイキングで露わになる。あまりにも人目を気にしない恥ずかしいふるまいをする両親、それを虚無の目で見つめるチェヒ。 そんなチェヒとはずっと前に別れた。 『ミョンシル』 老婦人ミョンシルは亡くなった恋人(なのかな?)シリーの遺品を引き継いでいる。出版されたことのない作家のシリーが何万冊もの本を遺したのだ。シリー語ってくれた物語。 ミョンシルは、万年筆を手に取りノートに向かう。 ==登場人物の性別が分かりづらかった。シリーは男性ですか?ミョンシルがちょっと痴呆症も感じられるので、彼女が思い出すことがいつのことなのかも曖昧な感じ。原文もそうなのか、私の理解力なのか(-_-;) 終盤の、哀しさを越えて静かな感じが良かったです。 『誰が』 ヒロインは静かな家を欲していてやっと手に入れた。それまでのつらい勤務、うるさい住居環境。無理したけれど、念願の静かなマンションに入ったのだ。 しかしドアを叩き理由のわからないことを喚く隣の中年女性がいる。夜になると上野回では女たちが大音響で大騒ぎする。ヒロインは爆発して天井に物を投げつけ続ける。 ヒロインは「クソ女」と呼ばれる。彼女自身が「迷惑おばさん」扱いになったのだ。 『誰も行ったことがない』 初めてのヨーロッパ旅行に出かけた中年夫婦。 かつて子供がいたが亡くしてしまった。それでも日々を送ってきたのだが、旅行の最中に少しずつズレが生じる。 そして韓国政府が経済主権を喪失したというニュースが入る(1997年通貨危機を迎え、経済主権をIMFに委ねた)。彼らはそのまま旅行を続けるしかない。そして決定的な出来事。 『笑う男』 一人暮らしする男性がいる。なんか不思議な間取りで、リビングと台所と浴室と寝室が一列になっているんだって。寝室が一番奥なの?浴室じゃなくて?寝室から浴室・台所・リビングを通り抜けて玄関に向かう? 実家の母親は病気になり、父親は節約のため家を改築してとても汚く臭く醜くさせた。 男性は「なにもしない・無関心」で生きてきた。倒れた老人を見かけても素通りした。共に乗ったバスの事故でも恋人を抱き寄せなかった。今この住居で自分を単純化させて生きているのは、後悔を抱えているからなのか。 『わらわい』 冒頭の「私は笑いたくないんですが笑っています、しょっちゅう笑います毎日笑います、いまも笑ってるでしょ」という書き出しでなんかすごいの来たなーって感じです。 彼女はデパートの店員で、貧乏な暮らし、おとなしかった幼少期、死んだ母のこと、就職難、客からの強烈なクレームを語っていく。 その合間に「あなたは笑っていますか?どんなふうに笑うか詳しく教えてくださいよ、ねえ」というつぶやきが差し込まれます。 自分を大切なものだと思えないから、人からバカにされるのか。そんな仕打ちをされても困ったことに笑うのが止まらないんです。これが笑いなのでしょうか?こんなのを笑いというからおかしくなるんじゃないでしょうか。 ほら、私笑ってるでしょ。笑ってるのに。笑ってんだよ。 笑ってんだよ。
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どうしようもなさ、情けなさ、悔しさ、不甲斐なさ、そういうのが一つも疎かにされず、すべてが言葉にされていて、どうしようもなく苦しいのにどうしようもなく美しく、良かった。短編でなければ読み切れないだろうと思うほどに苦しくなったが、良い意味で砂利を噛み続けているような感覚の現代小説は、...
どうしようもなさ、情けなさ、悔しさ、不甲斐なさ、そういうのが一つも疎かにされず、すべてが言葉にされていて、どうしようもなく苦しいのにどうしようもなく美しく、良かった。短編でなければ読み切れないだろうと思うほどに苦しくなったが、良い意味で砂利を噛み続けているような感覚の現代小説は、唯一無二だと思う。読めてよかった。また、注釈が親切なのもあり、文化の差を壁と捉えることなく読み進められた点も評価したい。
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