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アンビバレント・ヒップホップ
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アンビバレント・ヒップホップ

吉田雅史(著者)

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アンビバレント・ヒップホップ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ゲンロン/トランスビュー
発売年月日 2025/03/07
JAN 9784907188580

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商品レビュー

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2025/07/12

まず初めに言っておくが、この書籍は解説書ではなく、吉田雅史によるヒップホップの「批評本」である。それを念頭に置いておかなければ所々に違和感を感じることになる。佐々木敦の『あなたは今、この文章を読んでいる』でも同じような現象に遭遇したが、この本を読んだ上で取り上げられている曲を聴い...

まず初めに言っておくが、この書籍は解説書ではなく、吉田雅史によるヒップホップの「批評本」である。それを念頭に置いておかなければ所々に違和感を感じることになる。佐々木敦の『あなたは今、この文章を読んでいる』でも同じような現象に遭遇したが、この本を読んだ上で取り上げられている曲を聴いて「何か違うな」と感じることが多い。小林秀雄曰く「批評とは他人の作品をダシに自分を語ること」と言うが、それを理解して吉田雅史という男のモノの捉え方や表現を楽しむための書籍と思った上で読んだ方が良いと思う。 実際そのように視点を切り替えて本書を読むと、ヒップホップというジャンルに対しての著者の思いが並々ならぬことがわかり、リズム符や哲学書を引き合いに出した緻密な持論の展開に引き込まれる。ヒップホップとはリアルであり、フィクションであり、貧困や言語的な問題による苦悩との葛藤を軸に歴史を刻んできたと見る著者の捉え方や未来のヒップホップの行末を言祝ぐ幕引きには胸を打たれた。賛同できかねる点も見受けられるが、それは自己を語る書籍で不特定多数の人間が読むものであれば避けられない事だ。伝統に基づきながら新たな視点を提示するアツい名著である。

Posted by ブクログ