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死体はこう言った ある監察医の涙と記憶 ポプラ新書272
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | ポプラ社 |
| 発売年月日 | 2025/02/26 |
| JAN | 9784591185650 |

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死体はこう言った
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商品レビュー
5
2件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
法医学という言葉自体に馴染みのない私にとって、本書は著者が望む啓蒙の役割を見事に果たしていた。 物言わぬ死体がなぜ死ぬことになったのか語り出す、という。「死人に口なし」という諺とは対照的に、死体が語り出すという視点に強い印象を受けた。 この著者は監察医になって三年で死体と対話できるようになったそうだ。死んでる人を扱っているのではなく、医師が患者をみる感覚というのが面白い。監察医は死者の言い残した言葉を聞き取り、警察官と協力しながら社会秩序を維持していく。それが、死んでしまった人の人権を守ることになり、大きな意義を感じるという。子どもの検死はしたくない、と言うが、死体を通して人間関係の歪みを見てしまうことは、著者にとって辛くないのだろうか。人間の闇に触れてしまうと、私は心が疲弊する。 第2章で登場する父親がコミニケーション不足から妻に自殺され、更に子どもにも自殺されるという話。この家庭を顧みない仕事人間タイプの父親は多いだろう。「自分への恨みだけを書いた子どもの遺書を読み、一人残された父親の気持ちを考えるといたたまれない。」と著者は父親に同情を寄せていたが、私は家族三人を自殺に追い込んだ責任を重く感じ、同情することはできなかった。家族三人も自殺に追い込んだ父親の過ちが、コミニケーション不足だけとは思えない。 終章の著者の亡くなった妻との話。常に人の死に触れる仕事をしていても、著者が自分の妻の死に対して、医師としてではなく一人の夫として向き合っていた姿に好感を抱いた。 私はどのような年寄りになるのだろうか?と20代の頃によく考えたが、今はどういう死に方をするのだろうか?と考えるようになった。彼ら監察医にお世話になるかもしれないと思うと少しだけ複雑な心境になる。
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解剖により、さまざまな事が判る現実に驚嘆致しました。またポックリ逝った場合も変死体となるなど興味深く読み終えました。 ただ、監察医制度は一部の都市圏に限られていることは残念です。各県にその制度がいち早く整備されることを願い、感想にかえさせて頂きます。
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