出雲神話の正体 封印された古代の真相

関裕二(著者)

• 販売会社／発売会社: 河出書房新社
• 発売年月日: 2025/02/25
• JAN: 9784309229539

商品レビュー

2025/09/24

日本建国の真相を独自の視点で読み解いている。
スサノヲと住吉大神と大物主と武内宿禰が同一である事。藤原不比等は藤原氏の正義を証明するため、神話を偽造した。
邪馬台国論争は本居宣長の説を採用している。魏志倭人伝の卑弥呼の邪馬台国は北部九州にあったが、本当の邪馬台国は大和にあった。大和に対抗するために、魏に使者を送り、我らがヤマトと偽り、親魏倭王の称号を獲得した。

2025/04/03

本書のテーマと目的
本書は、出雲神話とその歴史的背景を再評価し、出雲における神々とヤマト政権との関係性を明らかにすることを目的としています。著者は、出雲神話における神々がどのようにヤマトの権力構造に組み込まれ、またそれがどのように歴史や宗教に影響を与えたのかを掘り下げています。
第一章 出雲大社と出雲国造家の謎
出雲大社とその神々の信仰が、どのようにして広まり、天皇家と対立しながらも受け入れられてきたかが論じられます。特に、大国主神やスサノヲがヤマト政権の統治の中でどのように取り込まれていったのかが分析されています。
出雲神話における神々が、「邪悪な神」とされる一方で、民間信仰の中で愛される理由が説明されています。
第二章 ヤマト建国と出雲の歴史
出雲は、かつて強大な権力を持っていた場所であり、青銅器の大量発見がその証拠となります。
出雲には強力な王が存在していたとされ、ヤマト建国の過程で出雲の影響力がどのように及んだかが考察されています。
第三章 なぜ出雲の神々がヤマトで祀られるのか
出雲の神々がなぜヤマトで祀られることになったのか、その背後には政治的・宗教的な理由が存在します。
出雲の神々は「恐ろしい存在」として畏敬される一方で、ヤマト政権の安定を保つために取り込まれることとなります。
『出雲国造神賀詞』に登場する神々がその象徴として扱われ、神々とヤマト王家との関係が明らかにされます。
第四章 仲哀天皇の悲劇
仲哀天皇は、悲劇的な死を迎えることになりますが、その死は神々の呪いや出雲神話における運命の影響を受けているとされています。
神武天皇の正妃として、出雲の神々がヤマト政権にどのように関わったのか、そしてその死後の政権移行が描かれます。
第五章 出雲神話の真実
大己貴神（大国主神）が事代主神に権限を委ねることについて考察され、出雲の神々の世代交代とその背景が明らかにされます。
出雲の神々、特に事代主神がヤマト政権に組み込まれる過程が描かれ、その神格化の理由として、**カモ（鴨）**という名のつながりが指摘されています。

総括と結論
本書は、出雲神話を通じて、出雲とヤマトの間に存在した深い歴史的・宗教的な関係を明らかにします。出雲の神々はヤマト政権によって取り込まれ、時には神々の権力闘争や呪いの中で生き残り、時には神格化されてヤマトの正統性を支える存在となりました。このように、神話と政治が深く絡み合い、出雲とヤマトの歴史を形作ったのです。