60分でわかる！半導体ビジネス 最前線

デロイトトーマツコンサルティング半導体サブセクター(著者), 植松庸平(著者), 貴志隆博(著者), 児玉英治(著者), 望月雅矢(著者), 三津江敏之(著者)

• 販売会社／発売会社: 技術評論社
• 発売年月日: 2025/02/25
• JAN: 9784297147204

商品レビュー

2025/04/24

初学者が一番最初に読むには最適だと思う。
本当に「今」の状況が反映されており、薄く広くを理解するにはこのくらいの粒度でないと、これ以上濃くすると、理解が追いつかないと思うので。

ただ、p56の市場の金額はおかしい。図は合ってるけど、単位が米ドルと円がなんかごっちゃになってる？（しかも100円/USDみたいな換算？）
ま、細かいことですが

2025/03/24

1. 半導体の基礎
- 半導体の定義: 半導体は、導体（電気を通しやすい物質）と絶縁体（電気を通さない物質）の中間の比抵抗を持つ物質である。
- 代表的な半導体: シリコン（Si）やゲルマニウム（Ge）が主な半導体材料。
- 半導体デバイス: 半導体の特性を活かしたデバイスには、トランジスタやダイオードが含まれる。

2. 半導体デバイスの種類
2.1 トランジスタ
- 構成: 3つの端子（ベース、エミッタ、コレクタ）で構成され、スイッチや増幅器として機能。
- 用途: コンピュータ内の集積回路（IC）で利用され、数百万個のトランジスタが密に配置されている。

2.2 ダイオード
- 機能: 電流を一方向にのみ流すことができる電子部品。
- 用途: 整流器などに用いられる。

3. 半導体の用途の広がり
- 従来の用途: 主にパソコンやスマートフォンなどの電子機器。
- 新たな分野: クラウドサービスの普及によりデータセンターでの半導体需要が急増。特にAIや機械学習に必要なデータ処理能力向上のため、高性能半導体が求められている。
- 自動車産業: 自動運転技術や電気自動車（EV）においても半導体の需要が増加している。

4. 半導体ビジネスの現在
- 経済効果: 日本における半導体関連の投資や製造が進んでおり、経済効果が期待されている。
- 国際競争: TSMCなどのファウンドリ企業が主導しており、日本も新たな半導体工場の設立を進めている。
- パワー半導体市場: 自動車や再生可能エネルギーシステムにおける需要が高まっており、日本企業も競争力を強化しようとしている。

5. 半導体のバリューチェーン
- 設計と製造: 半導体は設計から製造、テスト、流通まで多くの工程を経る。設計はファブレス企業が行い、製造はファウンドリ企業が受託することが一般的。
- OSAT企業: 半導体パッケージングやテストを専門に行う企業として、コスト効率を重視した受託製造が進んでいる。

6. 半導体設計におけるAIの活用
- 設計効率化: AIを用いてチップの機能や動作を最適化する取り組みが進んでいる。シミュレーションデータを活用し、設計の精度や効率を向上させる。
- 市場予測: AIの活用によって半導体設計の市場が成長すると予測されている。

7. 中国とインドの半導体需要
- 中国: 国内の半導体製造を強化するため、大規模な補助金を投入し、自立した市場形成を進めている。
- インド: IT産業の発展とともに半導体の内製化が進んでおり、政府の補助政策により外国企業の進出が加速している。

8. 日本の半導体産業の未来
- 課題: 「失われた30年」を経て、国際的な競争力を取り戻すための戦略が求められている。
- 人材育成: グローバルに活躍できる半導体人材の育成が重要であり、設計と製造両方の強化が必要とされている。