食文化入門 改訂新版 百問百答

岡田哲(著者)

• 販売会社／発売会社: 東京堂出版
• 発売年月日: 2025/02/13
• JAN: 9784490211054

商品レビュー

2025/05/02

食にまつわる歴史や文化背景について総合的にまとめたもの。
和食が主ではあるが、特にフレンチと中華調理は深堀されている。それ以外にも各国の料理にも言及されていて、読んでいて楽しい。

食をただ美味しい物でなく、民族の歴史と変遷を垣間見える重要な文化と捉える姿勢が共感できた。

2025/03/14

1. 食文化の重要性と定義
- 食文化とは: 食文化は、各民族がその風土や気候に応じて選び、獲得・生産する食料の技術、調理法、食器、食べ方、食事作法などの総体である。
- 食べることと文化の関係: 食べる行為は単なる栄養補給だけでなく、社会的・精神的な側面を持ち、個人や集団のアイデンティティに深く関わっている。

2. 食文化の歴史的背景
- 食文化の発展: 日本の高度経済成長期（1950年代〜1960年代）を経て、物質的豊かさから精神的豊かさへの移行が見られるようになった。
- 食文化の普及: 「食文化」という言葉が一般に普及したのは1980年代からであり、それに伴い食材や調理法に対する関心が高まった。

3. 食べることの社会的側面
- 共食の意義: 大勢で食べることが美味しさを増す理由は、人間が共食をする動物であり、他者とのつながりやコミュニケーションを促進するからである。
- 行事食の役割: 誕生や死などの儀式において、特定の食べ物が重要な役割を果たし、文化的な意味を持つ。

4. 食文化と宗教
- 宗教による食の禁忌: ユダヤ教、イスラム教、ヒンドゥー教など、宗教によって食べることに対するタブーや禁忌が存在し、これが食文化に影響を与えている。
- 食事の儀式: 食事は宗教的儀式や価値観とも密接に関連している。

5. 地域による食文化の違い
- 世界の4大料理圏:
- 中国料理圏: 豚肉を主な素材とし、医食同源の思想が根付く。
- インド料理圏: カレーやギーがよく用いられ、宗教的理由から特定の肉を避ける。
- ヨーロッパ料理圏: 鳥肉が主体で、スパイスを多用する。
- アラブ料理圏: ヒッジを主な素材とし、強いスパイスを使用する。

6. 現代の食文化の変遷
- 二極化する食文化: 簡便化と多様化が進行しており、内食、中食、外食の選択肢が広がっている。
- 持続可能な食文化の模索: エコ・クッキングなど、環境への配慮が求められるようになってきている。

7. 食育と未来の展望
- 食育の重要性: 食文化を次世代に伝えるための食育が重要視されている。
- 未来の食文化: 食文化は今後も変化し続けるものであり、健康志向、環境への配慮、国際化が進む中で新たな展開が期待される。