恐怖への招待 河出文庫

楳図かずお(著者)

• 販売会社／発売会社: 河出書房新社
• 発売年月日: 2025/02/06
• JAN: 9784309421643

商品レビュー

2025/06/05

＜目次＞
第１章　　世界と恐怖
第２章　　恐怖と未知～作品＋ノート
第３章　　恐怖との交信～楳図かずおとは誰か
第４章　　恐怖の表現

＜内容＞
続きざまに楳図さんの伝記を読んだ。これは生前のインタビューを元にした本（1988年刊の本を2025年に文庫化したもの）。前回読んだ『私は楳図かずお』と大方変わりはないが、２冊読むなら、こちらから読んだ方がいい。あっちの方が詳しい。こっちは｢恐怖」にいつ近づいたかを強調している。こっちは本になっていない「ROJIN」が載っている分お得か？

2025/03/12

1. 変身と成長の概念
- 人間の成長や変身はただの外見的なものではなく、内面的な変化も伴う。
- 年をとることで身体の変化（例：猫の牙が伸びる）が起こり、これを変身として捉えることができる。
- 子供から大人への成長も変身の一形態であり、大人になりたくないという心理的な葛藤も存在する。

2. 恐怖の多様性
- 恐怖は人間の内面的な感情によって受け取られ、同じ事実でも恐怖やギャグとして解釈される可能性がある。
- 恐怖の感情は、怒りや悲しみ、嫉妬など他の感情と結びつくことがある。

3. 内面的恐怖と誤解
- 作品『へび少女』や『半魚人』などは、外面的な恐怖から内面的な恐怖への移行を表現している。
- 誤解はドラマの重要な要素であり、誤解がなければ物語は成立しない。
- 登場人物の視点や内面の葛藤が、物語の進行に影響を与える。

4. 日本の恐怖と文化的背景
- 日本の恐怖は因果応報や伝承に強く影響されており、倫理的なメッセージが含まれることが多い。
- 欧米の恐怖と異なり、必然性のある恐怖が多く描かれている。
- 社会の近代化が進む中でも、内面的な恐怖の源は変わらず存在する。

5. マンガ表現における恐怖
- マンガを通じて恐怖を表現する際、過去の経験や社会背景が影響する。
- 描かれるキャラクターやストーリー展開には、作者の個人的な感情や社会の影響が色濃く反映されている。
- 読者との共鳴を生むために、恐怖の表現が進化している。

6. 科学と恐怖
- 科学は恐怖と対極にある存在として見られるが、科学の理解が進んでも未知の恐怖が常に存在する。
- 知識や理解が深まる中でも、恐怖は消えず、新たな形で現れる。

7. 創作活動と個人の成長
- 創作における自己探求が、個人の成長や内面的な葛藤を反映する。
- 作家としての成長は作品に影響を与え、恐怖の表現も深化していく。

8. 読者との関係
- 読者との対話を通じて、恐怖の表現や理解が広がる。
- 作品が持つメッセージやテーマが読者に与える影響が重要視される。